哲学、女、唄、そして…―ファイヤアーベント自伝

哲学、女、唄、そして…―ファイヤアーベント自伝

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  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784782801031
  • NDC分類 133.9
  • Cコード C1010

内容説明

本書は類い稀な人生の記録である。ポール・ファイヤアーベントという、今世紀最も独創的で、最も影響力の大きかった知識人の一人が自ら綴ったこの物語は、その死の僅か数週間前に完成した。物理学と天文学の素養を持ったファイヤアーベントは、科学哲学者として最も著名な人物だった。しかし、この一般によく知られた人物の個人的な生活についてはほとんど誰も知らなかった。彼は、ヴィーンの中流の下の階層に生まれ、国際的な学問の世界に名をなすまでの自らの軌跡を跡付ける。彼は、抑え難い熱意と徹底した誠実さで、ナチ時代の生活や、ロシア戦線でのドイツ陸軍での体験を書き綴る。その戦場で彼は3発の弾丸を浴び、その結果、生涯の障害を負い、不能に悩まされ、死を迎えるまで続く苦痛と戦わなければならなかった。オペラ・テナーとしての約束された才能と音楽への自らの不朽の熱情、ヴィトゲンシュタインからブレヒトに至る様々な人物との出会い、無数の恋愛事件、4回の結婚、同時に四つの大学から終身在籍権を保証されたほどの圧倒的なキャリアなどを、彼は淡々と振り返る。学問的な自伝として書かれたものではないが、本書は60年に亙る世界の人間、思想、そしてそれらのせめぎ合いを、見事に跡付ける。

目次

家族
育ちゆく
高等学校で
占領と戦争
アポルダとヴァイマール
大学と初期の旅
セックス、歌、電磁気学
ロンドンとその後
ブリストル
バークレイ、最初の20年〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しょ~や

2
ファイアアーベントの作品を読んでみたいなと思った。どうも作品に関する彼の中での評価にはぐらかすようなところはあったが。妻グラツィアに関わる内容は良かった2015/07/20

ありす

2
「一般の読者が理解できるような単純なスタイルで書くことは、皮相的になることとは違う。私は、仲間の市民に何かを伝えようと思うすべての物書きに対して、哲学から身を離せ、あるいは少なくとも例えばデリダのような大風呂敷屋に脅迫されたり影響を受けたりすることは止めよ、その代わりに、ショーペンハウアーやカントの一般的なエッセイでも読めと言ってきた。」p.2572008/12/17

Kazyury

1
知性の限界からファイヤアーベントに興味を持って波及。 ただ、ファイヤアーベントの思想を知らずに読んでしまったので、面白さは半減してしまったかも。AM(方法への挑戦)などの、彼の著作を読んでからの方が楽しめるのかもしれない。 自伝という事で、彼と関わりのあった人名が非常に多数登場しその多さには若干閉口するけれども、全人的に(しかし病的にではなく)世界に対峙した魂の遍歴とだけは受け止められた。 彼が話している姿を一度でよいから生で見てみたかったものだ。2016/05/06

mitch

0
およそ哲学家の自伝とは思えないタイトル。でもこの人ほど誠実にものを考える人ってそうはいない。2015/08/20

eckhart88

0
面白い、面白いのは確かなんだけど、前半部分で、なんというう老人の昔話を延々と聞いている気分になることもあった。あったのだけれどもそれでもなんだか不思議と読んじゃうのだから不思議。個人的に最も敬愛する思想家だけれども、その奥行き、政治哲学の分野とも隣接するその思想の源泉が、如何に生まれたのかが少しは分かった気もするし、それさえも気のせいだったきもする。なんでもあり、はその身も蓋もないせいか、そのある意味では一つの到達点といえる簡潔さのせいか誤解されやすいが、中々奥深い。彼は決して単なるソフィストじゃないのだ2013/06/15

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