内容説明
本書の中で、デイヴィド・マックスウィニーは、ヒトという動物の行動、殊にその不合理ないし狂ったような行動に、あらゆる角度から刺激的で、時には今まで考えられなかったような光を当てる。実験心理学や脳外科にも通じた精神科臨床医である著者は、先ず、脳について詳しく述べ、脳の働きに関する最新の知見を紹介すると共に、精神外科という論争の多い分野にも言及する。うつ病、分裂病以下の精神病は詳しく説明され、ひとつの章では自分自身の職業についても考察される。彼は精神科医が普通そう考えられているほど他人を思いやる気持から行動しているかに疑問点を投げ掛けるのだ。ヒトの行動を理解しようとする際に、「正常」なものであれ「異常」なものであれ、性の問題を抜きにすれば、それは限られた価値しか持たないと強調した上で、マックスウィニー博士は、最後の諸章で性のアイデンティティと性役割のアイデンティティ、男の同性愛と女の同性愛、多種多様な倒錯について論ずる。
目次
サルを超えたサル
人間の中枢神経系―その機能
祖先の叫び声―ヒトの脳に残る祖先の脳とヒトの脳の多重構造について
精神外科の過去と現在
人格の平静化手段としての精神外科手術
気分と情緒の神経化学―躁病とメランコリア
分裂病―1―なぜ、そしてどのようにして、狂気に至るのか
分裂病―2―諸理論と未来への提言
パーソナリティ発達の諸理論―フロイトとエリクソン
自己欺瞞と心の〓
パーソナリティのタイプと情緒的成熟の概念
仮面と動機について
少女が少年になること―性同一性とジェンダーアイデンティティ
男の同性愛と女の同性愛
性的逸脱と性的倒錯
極限の狂気
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- サラリーマン金太郎【分冊版】 154