内容説明
熊本五高教師時代の漱石を主人公に、明治の激動期を理想に燃える個性豊かな面々が古書店を舞台に繰り広げる恋愛沙汰やら革命やら―なつめの金ちゃん、さあどうする?表題の戯曲ほか朗読台本「安政大変」巻末に出久根達郎著書目録を収める。
目次
朗読台本 安政大変
戯曲 庭に一本なつめの金ちゃん
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年茨城県生まれ。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、93年『佃島ふたり書房』で第108回直木賞、2004年『読売新聞で読む明治』で大衆文学研究賞特別賞。2015年『短篇集半分コ』で第65回芸術選奨文部科学大臣賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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wasabi
5
江戸大地震に鰻絵は、著者の研究が行き届いて得意とするところ。趣向を凝らし、落語風朗読用に著された井戸掘り職人と夜鷹による、愉快なれどもせつない遣り取り。続いて、夏目漱石こと「なつめの金ちゃん」のパロディー戯曲が2作。一幕目は、漱石がまだ若き金之助時代、妻鏡子の誤解を招きそうな微妙な小事が熊本の古書店内で展開される。些事なれど、ひやひやして読み進める。二幕目は、漱石として名を馳せてのち、やはり古書店で孫文、滔天らと革命譚をいくぶん(かなり)茶化しながら進めるのだけれど、正直よく分からなかった。2017/02/07
yyrn
3
図書館の新刊本コーナーで目に付いた本。文庫本サイズながらキレイな貼箱に入っていて、書名が『庭に一本なつめの金ちゃん』ときて、作者が出久根達郎というのだからコレは読まない手はないなと思い借りてみたが、う~ん、どうなんだろう?240ページはあるが、朗読劇の台本と戯曲なのでページは余白が多くてサッと読めてしまう。内容は舞台が想像できて楽しいが、でもコレで2,484円はないだろう。きっと、この本を買うのは、話の舞台となって実際に上演もされたという熊本市のみなさんか(笑)。書名のとおり、夏目漱石が絡むお話です。2017/06/26
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