内容説明
本書は、民法を中心としたケースメソッドによる民事法の分野の法学入門書です。なるべく、ここ数年内のホットな、また、話題となった裁判例をとりあげ、それらの問題点をできうるかぎり簡潔かつ平易に説明することを心掛けてみました。さらに、これらのケースの問題点・論点を浮き上がらせるために、とくに各ケースごとにキーワードを掲げました。
目次
1 自動車のディーラーがサブディーラーに売却するに際して、留保していた所有権に基づき、ユーザーに自動車を返還請求することが権利濫用にあたる、とされた事件
2 不実登記を信頼した第三者に虚為表示の規定の適用による保護が認められなかった事件
3 いわゆるショッピング・クレジット契約において錯誤無効が認められた事件
4 民法110条、112条の競合適用に基づく表見代理が認められた事件
5 いわゆる背信的悪意者は、その不動産取得前に善意の中間取得者が介在していても、登記の存しないことを主張し得ない、とされた事件 〔ほか〕