内容説明
心理学の歴史は古代ギリシャ哲学にその起源が求められます。それが中世、近世の哲学に受け継がれ、19世紀末ドイツのヴントによる心理学実験室開設の年を心理学独立の年とされています。その後ゲシュタルト心理学、行動主義、認知心理学といった様々なアプローチの興隆をみて現在の発展へとつながっています。本書は、斬学の第一人者が、現代の心理学をよりよく理解するための一助となるべくその歴史を一望に見わたします。西洋との交流を重ねつつ発展した日本の心理学の歴史についても章を割いています。
目次
心理学史の展望
連合主義
感覚・知覚研究
精神物理学
心理学の独立
19世紀末の心理学
比較心理学
個人差の研究
精神分析学
ゲシュタルト心理学
行動主義
新行動主義
認知心理学
日本における心理学の導入と発展
著者等紹介
大山正[オオヤマタダス]
1951年東京大学文学部心理学科卒業。1956年東京大学大学院特別研究生修了。元東京大学教授。元日本大学教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆで卵
1
全体としては簡単にまとまっていて良い。ただし、短くしすぎてしまった部分(特に認知心理学の章)が結構ある。個別の文章の例としては、P96でブレンターノの主張は作用心理学と呼ばれていることが書いてあるが「作用」という言葉が一体どういうことを示しているのか分かりにくい2011/11/03
米川青馬
0
読了。まさに教科書。心理学の歴史の総覧にはもってこい。おおまかに心理学の流れをつかむには最適。素人なので実際はわからないが、印象としては全体的にバランスが良いと感じた。ただし、他の方もおっしゃっている通り、この本の説明だけでは理解が深まらず、よくわからない箇所も多い。結局、これをマップにして知識は他の本で深めるのがよいのだろう。2011/12/21
金こんにゃく
0
自主ゼミで心理学史をやっているので、その予習で読んだ。わかりやすく心理学の全体像を追うには、やはり歴史を学ぶのが良い。研究者の人名とその代表的な研究や概念をほとんど覚え終えた。院試に向けて一歩リードか?2019/02/16