- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
港町ヨコハマに立ち続けた外国人相手の娼婦たち―港のマリー。昭和初期の名物娼婦「メリケンお浜」、戦後の“パンパン”の生き残りであった老娼婦「メリーさん」の二人を核に、横浜開港から現在までの裏面史を追った渾身のドキュメント。
目次
序章 洲干島(異人来迎;港崎町 ほか)
第1章 メリケンお浜とチャブ屋の物語(メリケンお浜;文化爛熟の時代 ほか)
第2章 ヨコハマ・ノワール(なにが起きても不思議じゃない所;そこら中パンパン宿だらけでした ほか)
第3章 白塗りメリーの物語(港のマリー;白い老女 ほか)
第4章 大岡川の向こう側(清水の湧く町;「高架下」の起源 ほか)
著者等紹介
檀原照和[ダンバラテルカズ]
東京生まれ。法政大学法学部卒業。1995年から横浜に在住し、都市世界の辺境について調べ始める。2006年『ヴードゥー大全』(夏目書房)で出版デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
425
【遊廓部・参考図書】メリーさん周辺の人物たちから浮き出したメモワール。映画化作品で美化された本人像とは違い、「清濁併せ持つビターな」仕上がり。いわく晩年は生臭いような臭いがした、爪には垢が溜まって真っ黒だった、などなど。勝手な憶測だが、彼女には何らかの精神障害があったのではないだろうか。頑固なまでに自分の美意識を貫き、好きなように生きた彼女。故郷の施設に入り、親族のお墓にも入れて、少なくとも恵まれた晩年だったと言えよう。メリーさんの人生でもあり、横浜の戦後歴史書でもある。2020/09/06
oldman獺祭魚翁
34
横浜の裏歴史を開港から調べあげた本。ある本の書評から辿り着いた1冊で図書館で借りだした。横浜はペリー来航で浜辺の1寒村から外国人の集まる街へと変貌した。開港で貿易船が来るようになると船乗り相手の娼家ができる。伝説の「メリケンお浜」や戦後横浜の生きた都市伝説「港のメリーさん」など、隠された歴史を丁寧にそして冷静な目で著している。あまり期待せずに借りただけに、思いがけない面白いノンフィクションだった。一つの街の書かれなかった歴史・ルポルタージュとして、その面白さは保証できるお奨めの1冊。2016/12/02
わんつーろっく
12
横浜シネマリンでリバイバル上映されていた「ヨコハマメリー」(中村高寛監督・2005年)に合わせて読了。監督が映画を撮るにあたって調べ上げた書物も読んでいるが、こちらはメリーさん以外の清濁併せ吞む横浜の歴史を、幕末の遊郭から追っている。メリケンお浜とチャブ屋、黒澤明監督の「天国と地獄」の映像が目に浮かぶヨコハマ・ノワール、そして大岡川の向こう側。映画のメリーさんは、実際には見たことのない、素顔の穏やかな表情で、慰問の歌に拍手をしていた。2020/10/16
seichan
7
さびしい漁村が開港で一転、超豪華な郭を作って不夜城の栄華を誇り……てな、ヨコハマの夜の歴史をたどる本。 世界に名を轟かせた「メリケンお浜」や、全国区に有名になった娼婦「メリーさん」、黄金町のちょんの間あたりはともかく、戦後辺りの米軍基地への侵入略奪や、東京湾の「海賊」などなど、地元民もあまり知らない話も取り上げてて、なかなかの読み応え。丁寧に調査してる。 「横浜は舶来の紹介だけで何も創造はしなかった。でも、東と西、男と女が出会う場所であり続けた。ロマンスがこの街の創造物だ」てな文章には深く同意。 2018/11/16
cocoon
5
メリーさん情報が知りたくて読みました。横浜の陰の歴史についてかなり詳しく書かれていて興味深かったです。その頃の夜の街を見てみたいなあ。しかしまだごく最近の話も載っておりここ十数年、自分が生まれたあとにも色々な事が起こっていたんだなと驚きました。横浜に行きたいです。2017/07/11
-
- 洋書
- Artemis