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出版社内容情報
荷鴣[ニコ]
著・文・その他
yoco[ヨコ]
イラスト
内容説明
閉ざされた世界で生きるミースは、ある日、ヨナシュという冷たい目をした男に攫われる。人違いでの誘拐だったが、悪意を知らないミースにとっては、未知と出会う冒険の旅となっていた。一方ヨナシュは、人質の人懐こさを怪訝に思いつつも無下にはできず、逃亡の旅を続けてしまう。特殊な環境で育ったふたりは、芽生えた想いの名を知らぬまま、心を通わせ、次第に離れられなくなってゆく。だが、その旅は許されるものではなく、国を揺るがす事態に発展し…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サラン
16
★5 ずっと待ってた荷鴣さんの新作。宗教国家の禍々しさ、独特の世界観がいい。登場人物達の執着と自分勝手な愛によって全てが狂って歪んでいく。重苦しいドロドロの中でミースの純真さ優しさが光の様な感じを与えている。ヨナシュがミースを誘拐して旅をし始めた当初の2人のやり取りが好き。ミースを「くそちび」呼ばわりする口の悪いヨナシュだがミースに惹かれていく過程も自然で話の展開も面白くさすがです。それにしてもヨナシュの過去も重いしユステュスも可哀想だが私は女王の人生が一番泣けた‥エフベルトも哀れ。→2022/02/13
フキノトウ
13
女嫌いのヨナシュ×無垢な娘ミース。性に縛られた人が多い。ミースの母である女王の人生が壮絶。yocoさんの挿絵が童話風で素晴らしかった。2022/09/04
おもち
9
いつもながらの独特な世界観。ミースが純真でまっすぐな心の持ち主で(何も教えてはもらえないとはいえ愛されて育っているので)ヒロインの悲壮感は周りに比べると薄い。が、周りがもう大変なトラウマ抱えてる人ばかりで、、荷鴣先生らしく人間関係が複雑なお話でした。 女王が可哀想だったな。子供思いの母親だったと思う。 このあとの二人やあの国はどうなったのか気になる。二人にはどうか幸せでいてほしい。2022/02/19
十六夜
6
毎度毎度よくこんなすごい話を書けるものだと敬服する。自分が何者か知らぬまま大勢に傅かれて育ったミース。ひょんなことから城の外に出るも、自分を将軍の娘と勘違いした男に攫われ二人旅がはじまる。そのあいだに思いを深め合うが、ヒロインは女王に次ぐ大陸二番目の権力者、ヒーローは女王に滅ぼされた国の王族という感じでままならない。最後はヒロインが国に戻って母親を取るかヒーローを取るか選ばされる。だいたい周囲とか歴史とかが狂っているから人物たちはそれに翻弄されている感じで気の毒なんだよなぁ。この作品に限らず。2022/02/20
もずく
5
相変わらずの美しく禍々しい世界観ですごかった。この作者さんのダークな話はクセになるし中毒性があるし本当に好み。 ミースが可愛くて健気だし嫌がりながら面倒見るヨナシュが楽しい。最初からミースの正体は分かるようにできていて、背景が悲しいけど、ミースの性格でほっこりする。この話はミースとヨナシュの恋愛だけど、女王の話のような気もした。すごく濃厚で、まだ読みきれてない気もするからもう一度読みたいし何度も読むと思う。イラストも素敵だった。2022/01/14