出版社内容情報
風来堂[フウライドウ]
著・文・その他
内容説明
人を惹きつける軍艦島の魅力とはなんだろう。閉山後に無人化してから半世紀以上が過ぎ、かつて栄えていた島が荒廃してゆく寂しさ、廃墟と化した建物群の醸し出す哀愁は、確かに人々の心を打つものがある。しかし、私たちが目にできるのは、いずれも廃墟と化した島の姿だ。本書では、元島民の協力を得て、まだ住人がいた当時のモノクロ写真にカラー再現処理をして掲載した。これにより“死んだ端島”ではなく“生きた端島”の姿が目の前に迫ってくるはずだ。
目次
序章 軍艦島の発見(九州の片隅にある海底炭田の南端に位置する小さな無人島;風雨にさらされる環境が島を鉄壁の城塞へと変えた ほか)
第1章 炭鉱としての軍艦島(日本の工業発展に貢献した軍艦島産の良質な石炭;手掘りから24時間機械化体制へ 採炭現場の技術進歩の歴史 ほか)
第2章 超人口過密島での生活(住居インフラ 鉱員なら家賃はタダだったが住居は地位による格差あり;入浴 内風呂付きの住居はごくわずか 海水も使われた共同浴場の実態 ほか)
第3章 知られざる建築物の実態(16~20号棟(鉱員社宅) 5つの建物がズラリと並ぶ 島民が愛した「9階建て」
65号棟(鉱員社宅・保育園) 暮らしやすさで人気トップクラス 島内最大規模の住戸数を誇る ほか)
終章 閉山から現在までの軍艦島(時代は石炭から石油へ 人口減が進む1960年代)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わんつーろっく
21
数年前訪れた風景と、「海に眠るダイヤモンド」のシーンが鮮やかに目に浮かぶようだった。炭鉱の歴史から、工員・住民の生活全般、増築を重ねた建築物の実態など、コンパクトにまとめられた入門書のようだ。廃墟を維持保存するという前代未聞のプロジェクトは自然との戦いでしょう。元住民のガイドの皆さんが、これからも長い歴史を語り継いでいかれますように。2025/02/23
C-biscuit
17
新品購入。昨今の技術は過去の白黒写真をカラー化でき、違和感はない。新書版なので、もう少し大きな写真で見たいところもある。こういう本こそ電子かと。本の読み方も利便性が上回れが変わっていくと感じた。表面的な軍艦島の建物や当時の生活が気になるところでもあるが、軍艦島の海底に広がる広大なエリアの炭鉱部分がそこに住む作業員さんの仕事に直結しており、その対価としての生活水準だったのだと感じる内容。当時としては、福利厚生や給料も良かったようで、都会と同じような生活ができたよう。狭い土地を活用する日本の典型でもある。2022/07/18
marsan
15
図書館本。神木隆之介さん主演のドラマ「海に眠るダイヤモンド」をより深く理解するため。一気読みしたが、カラーで再現された写真とコンパクトな解説がとても良かった。『軍艦島』の名前と写真はかなり前から知っていて、世界遺産になったことは喜ばしいと思っていたが、本書で知識のレベルアップが図れて満足。ドラマの舞台も数々出てきた。上陸ツアーに是非とも参加したい。24592024/11/26
ケー
9
先日行った端島(軍艦島)がとっても気になる場所だったので、もう少し詳しく知りたくて読了。 この前のガイドさんが話してたこともあったり。 新書用のボリュームなので、雑過ぎず、詳し過ぎず、ポイントを押さえるのに丁度良い。2023/05/02
ココアにんにく
9
なぜ軍艦島に惹かれる人が多いのか?以前から不思議でしたがその意味が少し分かった気がします。第1章では炭鉱とはどういうものか?から端島が日本産業に果たした役割などが分かる。第2章の端島の生活は興味たっぷりでした。超過密島で暮らす人々の賑わいが伝わってきます。野菜船、校庭での行事、医療、水事情など。折角海底水道を敷設しても、水を浪費してしまう話が面白い。不意に本書を手に取って今まで興味がなかった軍艦島に興味津々です。2023/03/26