出版社内容情報
唐沢孝一[カラサワコウイチ]
著・文・その他
内容説明
スズメが群がり鳴きながら食べるのはなぜか?共喰い・死体喰いも辞さぬカラスの食欲、強靱な胃袋で硬い実をすり潰すハト、人や動物の行動を利用して巧妙にエサを捕るハクセキレイ…。鳥は空を飛ぶために高カロリーを必要とする。だが、肥満は飛翔の敵。「軽量化」が生きる術である鳥類の食生活は工夫と策略に満ちている。都市の鳥と自然を長年観察しつづけた著者が、その奥深い食生活に迫る。この一冊で、身近な鳥を「見る目」が変わる
目次
1章 都会の鳥(スズメ―おしゃべり採餌と桜の盗蜜;ツバメ―アリもトンボもミツバチも捕らえる ほか)
2章 郊外の鳥(メジロ―花蜜やコナラのシロップを吸う;シジュウカラ―四季折々の食事の工夫 ほか)
3章 秋・冬の鳥(モズ―小さな猛禽の必殺技;ツグミ―モグラを利用したミミズ狩り? ほか)
4章 水域の鳥(カワセミ―海に出たカワセミ;カルガモ―10羽もの子どもを育てるシングルマザー ほか)
著者等紹介
唐沢孝一[カラサワコウイチ]
群馬県嬬恋村出身。東京教育大学理学部卒業。都立高校の生物教師をへて現在は執筆、講演、自然観察など多方面で活躍している。都市鳥研究会顧問、NPO法人自然観察大学学長。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
62
鳥は可愛いんだけど、エサの昆虫や動物死体がややグロく、閲覧注意と言いたい。キジバトやハクセキレイが都市に進出したのは1970年代なんですね。何があったっけ?日本列島改造論?2024/03/28
ホークス
45
2020年刊。身近な鳥たちの食生活を解説。カラー写真満載で楽しい。吸蜜に適応したメジロの舌は管状で、先の方は極細のブラシとなり一瞬で蜜を吸い取る。小さな猛禽と言われるモズは獲物を引き裂いて食べる。木の枝などに刺すハヤニエ行為は、足指の力で餌を固定できないため。レンジャクは樹木に寄生するヤドリギの実を好んで食べる。実に含まれる粘液と種子が糞とともに排泄され、樹木に貼り付いて発芽する仕組み。とにかく生々しい写真が多い。捉えたヒヨドリを水に沈めて弱らせるアオサギが怖い。飛行する飛魚を追うカツオドリはカッコいい。2023/10/25
booklight
38
思ったよりもマニアック。身近な30種の食生活を写真で紹介。しっかり観察した中での写真なので、『ダーウィンが来た』以上に生生しい。花の盗蜜も色々で、花ごと取ってしまうワカケホンセイインコ、花粉まみれになるメジロ、横に穴をあけるスズメなど。アオサギはあまり人に慣れないと思っていたら、釣り人におねだりするアオサギがいたり、ムクドリがみかんを食べない理由(ショ糖を分解できない)、モグラを利用してミミズを捕まえるツグミなど、より幅広い視点から鳥を観察していて、驚きも多かった。写真が生生しいのは観察の人だからか。2024/01/20
たまきら
36
読み友さんの感想を読んで。好きで観察しているほうなので、同好の方の本は楽しいです。銀ぱちのなおこさんがツバメの回で登場し、食べているのはオスバチだ、とするエピソードは面白かった!私が高校でミツバチを飼っていた頃も、ツバメが頻繁に来ていたものなあ…。百花園の佐原さんによると、ツバメのひなの生存率はミツバチがいた頃上がったそうです。カラスのグルメっぷりはさすがで、初めて見聞きすることも多かったです。ワカケホンセイインコが上野で見られるとは知らなかったので、ぜひ近々見に行きたい。…隅田公園にも来るかしら?2024/03/21
あたびー
22
花や実ばかり食べているのかと思っていた鳥も結構虫とか食べているんだなあ。スズメやシジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、ハトなどごくごく身近な鳥たちのリアルな食生活が迫ってきます。ひと口に木の実と言ってもその鳥のくちばしの形状などによって好むものや食べられるものが違うと言うのも学習できました。いつか秋ヶ瀬公園へ行って納豆みたいにつながったヤドリギのフンをするレンジャクを見てみたいです!2020/03/25