出版社内容情報
小川裕夫[オガワヒロオ]
著・文・その他
内容説明
二一世紀の日本でスケールの大きな経営者といえば、坂本龍馬を尊敬し、つねに「この国のかたち」の変革を目指して経営を続けるソフトバンク社長の孫正義が知られている。明治から昭和戦前の日本でも、孫に負けずとも劣らない経営者たちが、日本を世界に通用する国に変革すべく縞を削っていた。現在の日本人が当たり前のように享受している電力やエンタテインメント、インフラと、憩いを提供する観光地のほとんどは、「鉄道王」たちの周到な経営戦略によってつくられたものだった。彼らの悪戦苦闘の物語をひもとく。
目次
第1章 鉄道王がつくった「この国のかたち」
第2章 鉄道と原発
第3章 鉄道と都市計画
第4章 鉄道と百貨店
第5章 鉄道とリゾート
第6章 鉄道と地方開発
第7章 鉄道とエンタテインメント
第8章 鉄道と旅行ビジネス
著者等紹介
小川裕夫[オガワヒロオ]
1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーランスライター。取材テーマは地方自治、都市計画、内務省、総務省、鉄道(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
20
日本の鉄道の変遷が経営者たちを主語としながらさまざま列挙されていくが、「王」の名にふさわしいのはやはり誰よりも小林一三なのだな、とあらためて感じさせられる本。ひとつひとつは表面的な各エピソードを縦断して、地方もジャンルもまたいでとにかく登場してくる、ああ、それも最初に実行したのは小林なのか、と。◇その小林をはじめ、戦前の経営者たちは経営のプロとして横に動いていて、日本経済よりも今のグローバル企業たちを見るよう。自分の頭にもインストールされている直近までの日本の当然が、良し悪しではなく、いかに特異だったか。2014/12/07
Teo
4
国鉄や大手私鉄の歴史については一通り日本の鉄道史を知っている人ならば大抵は知っている話。そこからはみ出した中小私鉄や付帯事業の所でなかなか新しい物が読めた。但しそこまで行くと「鉄道王」と言うのはどうかとも思うが、そこは気にしなくて良いと思う。2014/10/30
Toshiaki Konishi
4
堤康次郎・五島慶太は個別に読んだことがあったので、この本を読んでまた読み返したくなった。鉄道の始まりから纏められていて面白かった。 特に鉄道と電力の関係は目から鱗が落ちる思いだ。 戦前の鉄道王達の軌跡を見ると、現代の日本以外のビジネス界の成功者達のような会社遍歴が伺える。ここから、戦前には現代のような資本主義社会が成立していて、戦後の社会は戦中の統制経済が色濃く残っている日本型資本主義なのだと考えられるのかもしれない。電力会社やJRとか多分マスコミも。 インフラから社会が良く分かる。2014/09/24
やまほら
3
鉄道会社の副業と、それを実施した経営者、という感じか。宮脇俊三や吉田初三郎は、鉄道会社の人じゃありませんが。それなりにおもしろく読めるが、疑問を持つ部分も何か所か。特に、「鉄道と原発」は、題名が強引すぎです。2014/09/28
pastis56
3
たまたま書店で目にした本であったが、明治、大正、昭和と様々な人物が鉄道の発展に寄与したことがよくわかった。また、国営化や合併、民営化などいろいろな出来事があって現在に至ることもよくわかった。2014/09/08