イースト新書
AKB48とブラック企業

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  • サイズ 新書判/ページ数 285p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784781650234
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0230

出版社内容情報



坂倉昇平[サカクラショウヘイ]
著・文・その他

内容説明

ゼロ年代にミリオンセラーを連発しながら、労働問題を歌い続けるアイドルがいる。AKB48だ。作詞家・秋元康が手がけた歌詞の数々は、日本の労働をめぐる写し絵となっている。会社人間、格差社会、自由競争、就活、ブラック企業、雇用の流動化…。それはAKB48自体が、この国の雇用システムの再現でもあるからだ。本書は約五〇ものAKB48の楽曲を解説し、それらが日本の労働の現実に迫り、その改革を模索するワークソング(労働歌)であることを示す。AKB48を知ること、それは日本の雇用のリアルを知ることだ。

目次

第1章 AKB48の魅力は「労働問題」にある
第2章 大人になんかなりたくない!―会社人間と「自由」の物語
第3章 競争して、チャンスをつかめ―就活の透明な「不安」の物語
第4章 傷つくことを、恐れるな―「運命」としてのブラック企業の物語
第5章 夢を見る覚悟はあるか―「卒業」という失業の物語
第6章 AKB48は日本の労働を変えるか

著者等紹介

坂倉昇平[サカクラショウヘイ]
1983年静岡県出身。東京都立大学人文学部卒。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2006年に若者の労働問題に取り組むNPO法人POSSEの立ち上げに関わり、現在は同NPO法人理事。2008年に雇用問題総合誌『POSSE』を創刊し、同誌編集長を務める。同誌では2010年にいち早く特集を組むなどして、「ブラック企業」問題に警鐘を鳴らしてきた。『AKB48とブラック企業』が単著デビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

としP

20
AKBグループが裏では凄く大変なのは前から知っている。私でも知っているくらいだから、ファンの人はもっとよく知っているだろう。とにかく競争が激しい。おまけに秋元康の掌の上で移籍やら兼任やら、研究生からの昇格や降格が決まる。今日のブラック企業問題にも相通づるものがあるのだろう。乃木坂に追い越された理由の一つは、ブラック企業はびこる現代社会で生きる男性が、娯楽として、ブラック環境にあるAKBグループを見るのに、愛想をつかしてしまったことがあげられるんじゃないかと思う。2017/09/03

臓物ちゃん

10
「労働の苦しみをエモ歌詞に昇華して!それをアイドルに歌わせて人気出させて過剰労働で苦しませる……!永久機関が完成しちまったなアア~!これでレコード大賞は俺んモンだぜ~!」そんなAKBグループが内包するブラックな構造を解き明かすことで現代日本の労働環境を憂いた一冊。もってけJASRACとばかりに引用された大量の歌詞から浮かび上がるのは、総選挙のような熾烈な競争と搾取を「運命」として受け入れろという悪魔的メッセージ!「運命なんかじゃない。俺たち人間だ、人間の仕業だ」とロールシャッハもブチ切れる内容にブルリ。2021/06/03

yamikin

8
この本、めっちゃ面白い!AKB48の歌詞はメンバー自身の自己言及かつ自己啓発書として機能している。スキャンダルや改変があったら、メンバーがそれをどう受け止め、どう乗り越えていくかを歌詞が指南書のように唱導しているのだ。重要なのは、それが秋元康という「上」から与えられているということ。つまり、自分たちが葛藤したり言葉を紡ぐ前答えを予め与えられてしまっているのだ。これ、自らがAV女優になった動機すら他者性を意識して商品価値を帯びてしまうという『AV女優の社会学』と同じ現象で大変興味深く、またそれゆえに深刻だ2014/02/25

カモメ

7
AKB48批判ではなく、ブラック企業との類似点を明らかにする話でした。企業と異なって48Gの恐ろしい点は、勝つか負けるかの労働環境そのものがコンテンツとして消費されていることと、全て秋元康の思惑や演出によるものだというところだと思います。もちろん今後変わっていくかもしれませんが。48Gは夢を叶える場所ではなく夢を見る場所、というのはとても残酷です。48Gは必ずいつか卒業しなければいけない(男性アイドルグループは40過ぎても活躍しているのに)という点では企業の労働者よりも酷だと思います。2017/09/22

てくてく

6
AKBのビジネス展開、メンバーと運営側との対立を説明しつつ、彼女たちが秋元康氏に与えられた歌の意味をその歌が発表された日本社会の情勢と結び付けて解説している。AKBグループそのものの搾取制度については特に語られていなかったが、実はよく知らないままでいたAKBについて多少知ることができたという天は良かったかもしれない。2016/10/02

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