出版社内容情報
ぼくたちは、
未来に向かって
縄文の古層へ旅をする
以前から縄文文化に深い関心を寄せてきた音楽家の坂本龍一氏と、人類学者の中沢新一氏が、縄文の古層に眠る、わたしたちの精神の源泉に触れるため、聖地を巡り、語り合います。
諏訪、若狭、敦賀、奈良、紀伊田辺、鹿児島、そして青森へ―――
社会的な状況が大きく変化している現在、これからのヴィジョンを見つけるために、ふたりが人間の心の始まり「縄文」へと潜っていきます。
【もくじ】
なにを、どうつたえ、つくっていくのか
縄文とは何か
プロローグ 三内丸山遺跡からはじまった、ふたりの旅
第一章 諏訪
第二章 若狭・敦賀
第三章 奈良・紀伊田辺
第四章 山口・鹿児島
第五章 青森
エピローグ さらなる旅に向けて
旅のしおり
内容説明
ぼくたちは、未来に向かって縄文の古層へ旅をする。わたしたちの精神の源泉に触れる待望の新装版。
目次
プロローグ 三内丸山遺跡からはじまった、ふたりの旅
第1章 諏訪
第2章 若狭・敦賀
第3章 奈良・紀伊田辺
第4章 山口・鹿児島
第5章 青森
エピローグ さらなる旅に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なお
39
坂本龍一さんと中沢新一さんが縄文人の記憶が残る場所を旅する。諏訪は縄文文化が栄え独自の文化圏が作られた地域。奈良・紀伊田辺への旅は東大寺二月堂のお水取りが話題になる。縄文に通じる土着信仰と神道、外来の仏教が合体して凍結され今に至るとの事。南方熊楠への思いも印象に残った。鹿児島では薩摩の隼人族について、日本の天皇家は異質な物を抹殺せず自分の中に取り込んでいったと語る。最後に坂本さんが「ストップロッカショ」を展開する青森へ。縄文を考察する事は現代文明とは違う方向性の存在を示し、未来を照らす可能性があるという。2024/05/25
nonpono
36
秋に東京で埴輪(ハニワ)やら土偶の展示が開催。その予習に。20代、三内丸山遺跡に度肝を抜かれ、縄文時代に興味を抱き始める。大人になったら、埴輪が欲しいと願う。四十路になり小さな土偶のレプリカを買えたときは嬉しかった。わたしが何度も旅した長野の諏訪を坂本龍一が「エロティックで死の匂いがプンプンしますね」と評しあの独特な空気感を思い出した。中沢新一の「今、考えていることは、10代、20代に着想している」に、えらい納得。わたしの読書メーターの感想にも、10代、20代、若い頃というフレーズがたくさん出てくるんだ。2024/10/15
キヌモ
10
縄文の聖地が諏訪、若狭、青森、奈良ということ知りませんでした。1万3千年ほども続いた縄文時代はどんな時代だったのだろう。人びとの感覚は現代人とは比べられないほど素晴らしいものだったのではないだろうか。などなど坂本龍一さんと中沢新一さんが現地を訪れてその地に立ってみて実際に体で感じたことや知識として持っていたことを語り合う長い対談。とても良かった。勉強になった.2024/09/10
Koji Harasawa
8
最近まわりの人たちが縄文づいてる そして私もこの書籍をきっかけに、縄文づいてる 過去を知ることが現在を変え、未来を変えることに直結するので大変に面白いのだ 坂本龍一さん、『アースダイバー』の中沢新一さんの考察は過去から今に繋がる系譜をわかりやすく表現してくれ一気に思考が吸い込まれる 福井県の「もんじゅ」や青森県六ケ所村「再処理工場」の近くにそれぞれ重要な縄文遺跡があるわけだが、核に対する視線もとても真摯で厳しい もっと学びたくなるし、聖地巡礼に出かけたくなる 書と共に旅に出たくなる良書2024/01/15
ますりん
4
昨年亡くなられた坂本龍一さんと宗教学者中沢新一さんの共著の新版。二人が繰り返し話すのは、今の技術や仕組みを前提に置かず、どこまで人は遡って個と国家、世界の関係を捉え直せるのかということ。 私は私以外の誰かにとって余りに都合の良い前提を、まだまだ自分の中に愚かにも置きすぎてしまっているのかもしれない、と反省。さあ、どこまで戻ろうか。2024/02/18