出版社内容情報
あの頃、「テレビじゃなければ見られないプロレス」があった
力道山の姿を一目見ようと街頭テレビに群集が押し寄せた黎明期、日本プロレスの熱狂、全日本プロレス旗揚げの真実、プロレス実況の飛躍、バラエティとプロレス、あの頃の「裏方」たちの狂騒。
名プロデューサー原章を筆頭に、徳光和夫や福澤朗ら時代を彩った名実況者に取材。
内容説明
名プロデューサー原章をはじめ、徳光和夫、倉持隆夫、若林健治、福澤朗ら時代を彩った実況アナウンサーが語る熱狂。全日本プロレス旗揚げと中継開始に到るまでの真相、ワールドプロレスリングとのブラウン管ごしの攻防、挑発的なプロレスニュースに込めた思い―。テレビの源流にはプロレスがある。『さよならムーンサルトプレス』の福留崇広が総力取材。渾身の筆致で綴った、テレビ放送開始70年に捧ぐ意欲作。
目次
テレビがまさしくプロレスだ
鉄の爪を逃さない
テレビはプロレスを「作れない」
ブラウン管ごしの抗争
「プロレスは正力の遺産だ」
厳しい船出
リングのスター、テレビのスター
お茶の間の人気をとる
土曜8時の終焉
夕方5時半時代〔ほか〕
著者等紹介
福留崇広[フクトメタカヒロ]
1968年、愛知県生まれ。國學院大学文学部哲学科卒業。92年、報知新聞社入社。現在、デジタル編集部所属。プロレス、格闘技、大相撲、ボクシング、サッカー等を取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんたこす
15
テレビ放送を普及する手段として始まったプロレスの歴史を全日本プロレスの系譜を中心にまとめられており、人々の熱い気持ちに引き込まれた。2023/03/08
剛腕伝説
14
テレビとプロレスとの関わり・歴史を綴った一冊。 プロレス全般というよりは、全日本プロレスという一団体とテレビとの関わり。コアな全日本プロレスファンでないと、ついて行けない内容かもしれない。高校生の頃からジャイアント馬場の熱狂的なファンだった私には感慨深いものがあった。そう言えば高校一年生の1月に、ジャイアント馬場のへ誕生日の祝い兼ファンレターを送ったところ、大量のグッズをプレゼントされた記憶が蘇る。懐かしい。2023/03/24
Eiki Natori
12
全日派だった私には大変興味深い本であった。全日本プロレスは日本テレビのバックアップで成り立っているというのは知っていたが、日テレがここまで日本プロレス時代から馬場と深く付き合い、馬場の独立を局ぐるみで手伝ってきたということは知らなかった。徳光、倉持、若林、福澤と受け継がれてきてきた実況中継についても記載。噂のチャンネル、倉持流血、ブッチャーのフォーク滅多刺し、ハンセン乱入、馬場の一線退き、ジャパンプロ、輪島、プロレスニュース、四天王、新日やドリフについても言及など、テレビ局側から見たプロレス史ともいえる。2022/11/06
豊平川散歩
10
金曜日夜8時はプロレス中継の時間は、新日枠で長い期間高い視聴率を得ていた。その枠は日プロ時代から引き継いだもので、歴史あるものだったが、徐々に視聴率が落ちていってしまった。全日も土曜夜7時、全女は月曜夜7時と、ゴールデンタイムで放送していたのが懐かしい。国際や海外物も一部地区で放送していた。まさにプロレスファンには最高の時期があった。力道山の時代に街頭テレビで放送されたのが始まりだが、テレビの普及にプロレスの貢献度は大きい。テレビ関係者の苦労話が満載で、勉強になった。2023/04/02
ベントレー
9
元日本テレビ原章氏を軸に「全日本プロレス中 継」に携わった人達を描いた物語。土曜20時から17時30分、再び19時、その後日曜深夜へと移行した放送枠の真実と葛藤。全日本プロレスの創立から馬場逝去までの歴史も含め読み応えありました。 本書の中に出てくる「原ノート」恐らく今後も門外不出でしょうが、昭和プロレスファンとしてはとても中身が気になります。 若林アナと福沢アナの絆も新鮮でした。二人は相容れないと思っていたので…逆に倉持アナの裏の顔が…といったら大袈裟でしょうか。2023/01/08