出版社内容情報
尾添椿[オゾエツバキ]
著・文・その他
内容説明
自らも被虐待児だった著者。ぬぐえないトラウマを治療するなかで思い起こされるひどい虐待を受けた人たちの過去と現在―。毒親の実態を見つめ、家族の在り方に一石を投じるコミックエッセイ。
目次
第1章 毒親から逃れて―うぶか
第2章 生きづらさを抱える―マユ・ハナヨ
第3章 毒親に育てられて―竹中
第4章 どうして毒親は生まれるのか―アズミ
第5章 毒親の子として―はるき
第6章 苦しみを抱えた子―セナ
第7章 毒親と生きる―谷瀬
第8章 自分の幸せ―椿
著者等紹介
尾添椿[オゾエツバキ]
2013年イラストレーターデビュー、2016年から漫画家として活動。両親と絶縁したことを漫画にしてsnsに公開したことをきっかけに、エッセイ漫画を描きはじめる。書籍・Web等で活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
53
毒親から生き延びた人たちの体験をもとにしたコミックエッセイ。「生まれた環境と親は自分では決められないからこそ、生き方と人生の終わりは自分で決められるしその価値がある。」「親不孝が怖くて自分の人生を生きられないこと、理不尽を受け入れた証を抱えたまま生きるしかないこと、そんなあなたらしく生きられない場所を去る選択肢があることを知ってほしい。」。自分の人生の主役は自分、今この時、選択肢にすら気がついていない人もたくさん苦しい思いをしていると思う。コミックで読みやすいし、たくさんの方の目に触れて欲しい。2025/05/13
ネギっ子gen
53
【生きている人間のために、祈りや神は存在する】 虐待親との絶縁を漫画にしてSNSに公開したことでエッセイ漫画を描き始めた作者が、“家族という呪縛”に蝕まれた8人の人生を描く。<親孝行が子どもの務めだと自発的に思うことができない人、育ててくれた恩のせいで身動きが取れなくなっている人へ、自分の人生を歩むために背中を押す話を描きました。苦しみと悲しみを癒やす薬は時間ではなく、生きることを諦めない心です。/生まれた環境と親は自分で決められないからこそ、生き方と人生の終わりは自分で決められるし、その価値はある>。⇒2023/06/09
たまきら
45
作者が妖怪のような両親の元をはなれ、絶縁するまでを描いた作品も辛かったですが、こちらの作者が出会った人たちのお話に呆然。よく生き残ってきたよあなたたち、すごいよ。…しかしなんでこんなことができるんだろう?それとも親になったとたんに負の連鎖を繰り返してしまうのだろうか?こういう本を描いてくれたことに感謝します。もっと多くの人たちの、苦しんでいる人たちの目にこういう本が届き、逃げ出すきっかけになりますように…。2023/04/29
ずっか
25
図書館でマンガコーナーにあったのをパラパラ〜としたら、内容が濃すぎたので借りて熟読。毒親の元で育った作者の友達、知人、作者も含めたその後の人生のエピソード集。毒親と言っても一般的なイメージよりハード過ぎて(ほぼ犯罪者)ショックだった。みんな普通に生きているように見えて苦しさを抱えている人が結構多いのかも?と思えました。やたらうちの娘が読み込んでいて、将来 こんな親いらない! と言われるのかな?とちょっとドキドキしました。でも娘が幸せなら、自分の人生を生きられるなら本望かな、と思えた一冊です。2023/07/08
くまこ
5
毒親に育てられた人の育ちが、複数記載されてます。あまりにも壮絶で言葉がない。今のどこかで毒親に育てられているお子さんがいる。どうか早い段階で見つけて、福祉につながって欲しいと切に願う。家族がパラダイスでない人もいる、どうかそれを社会の共通理解になりますように、苦しんでいる人を救い出せる社会になりますように。この本の作者も登場人物も、これから先は幸せが満ちていますように。2022/02/21