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出版社内容情報
稲田豊史[イナダトヨシ]
著・文・その他
内容説明
庶民の金回り、地価変動と田舎ディス、テクノロジー信奉とガジェットの変遷、サブカルチャーの地位と文化系ヒエラルキー、ビジネス・アイデアとハック思考、漫画的表現とポリティカル・コレクトネス…大衆社会を定点観測し続けた連載40年の偉業から昭和~平成日本の歩みを追う。
目次
第0章 「浮世絵」としての『こち亀』
第1章 庶民目線の生活と経済
第2章 住宅と都市論からみる東京の昭和・平成史
第3章 『こち亀』が添い寝した技術立国ニッポン
第4章 逸脱者を嗤え
第5章 文化教養リテラシー植え付け装置
第6章 ビジネスの教科書
第7章 ポリティカル・コレクトネス考
第8章 『こち亀』とはなんだったのか
著者等紹介
稲田豊史[イナダトヨシ]
1974年、愛知県生まれ。編集者/ライター。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て、2013年よりフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
breguet4194q
126
人気漫画でよくある○○徹底分析読本とは一線を画す一冊。所詮、ギャグ漫画だから面白ければいいじゃん、と言う思いがベースにあるが、きちんと社会論としての切り口から、持論を展開できてるから面白い。「こち亀」と同世代を生きる者にとって、連載していた40年間は自分にとってどんな時代だったのか。ノスタルジックになる訳ではないが、人生をちょっと振り返る事ができるのが心地いい。改めて漫画を読みたくなった。2023/06/16
アナクマ
46
こち亀は、昭和後期〜平成日本の大衆(男性)社会を読み解く超一級の文化資料。そこにはあらゆるハウツー・サブカル情報があった。◉0章_浮世絵とこち亀。7章_ポリコレ考。この辺りをドキドキしながら読む。というのも、無邪気に(!)読んだ過去が今の基準で裁かれる構図になるから(志村けんやとんねるずの往年のネタが別角度から指摘されるように)◉本章の主旨はその錯誤をあげつらうことではなく、社会の写し鏡としての記録性と価値を確認してゆくものだ。しかし、自分自身の変化/変節/成熟などに向き合わざるを得ないことにもなる。→2021/09/29
yyrn
38
そんなに上手な絵でもなく、毎回の読み切りなのにオチがあったりなかったり、何が評価されて40年も連載が続いたのか?不思議に思う人は第0章だけでも立ち読みすると腑に落ちると思う。▼確かに、昭和後期のバブル時代から平成の終わりまでの、その時々の世相や風俗、庶民の願望や当時の最先端技術の功罪を子供にも分かり易く描いた現代の「浮世絵」だったという解説は納得で、いま読むと当時と現代の差をまざまざと見せつけられるし、単なるノスタルジーだけではない、風俗史料としての価値が認められると思う。また、子供にとっては⇒2020/11/20
kei-zu
35
先日読んだ「両さんの時代」は著者のコメントも入ったライトな構成でしたが、連載終了後に全作を振り返る本書は読み応えがあります。 融通無碍に時代に合わせて変わる作風も超長期連載ならでは。連載当初の女性蔑視の視点が徐々に改められていく経緯には、なるほど。オタクも、当初は否定的な描写の対象であったとの指摘には、そうだったなぁです。 著者は、麻里愛(マリア)と擬宝珠纏(ぎぼしまとい)の登場が読者を減らしたと書きますが、すいません、私は纏で脱落しました(^。^;)2023/05/05
アナクマ
35
1章4章_両津は逸脱者(暴走族や軟弱で金持ちの若者、権力者など)を嗤う。金儲け行為を誇張して盛大に参加するくせに、庶民目線でそれをいじることも忘れない。また、地元の一大事である震災や五輪とは世論の動向にあわせて慎重に距離をとる。型破りキャラに見えて大衆迎合的なのである。◉私はこう思う。長期連載漫画の主人公に、人格の厳密な一貫性を求めてもそれは無意味だ(寅さん同様に)。時代と「添い寝した」キャラのふるまいは、瞬間瞬間を楽しく充実させて生きようとする多数の我々そのものである。だから支持され読まれたのだろう。→2021/10/07
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