内容説明
痴漢は、依存症です。実態を見誤っているうちは、痴漢は減らない!加害者を見つめ続ける性犯罪・依存症の専門家が、社会で大きく誤解されている「痴漢の実態」を解明し、その撲滅を目指す!
目次
第1章 四大卒、会社員、妻子あり―痴漢はどういう人間か
第2章 多くの痴漢は勃起していない―加害行為に及ぶ動機
第3章 「女性も喜んでいると思った」―共通する認知の歪み
第4章 やめたくても、やめられない―亢進される加害行為
第5章 反省も贖罪もない加害者たち―断トツに高い再犯率
第6章 痴漢しない自分に変わる方法―再犯防止治療の現実
第7章 離婚しない妻、自分を責める母―加害者家族への支援
第8章 「STOP!痴漢」は可能なのか―痴漢大国からの脱却
著者等紹介
斉藤章佳[サイトウアキヨシ]
精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにソーシャルワーカーとして、アルコール依存症を中心にギャンブル・薬物・摂食障害・性犯罪・虐待・DV・クレプトマニアなどさまざまなアディクション問題に携わる。その後、2016年から現職。専門は加害者臨床で「性犯罪者の地域トリートメント」に関する実践・研究・啓発活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
69
著者は性犯罪者の研究や依存症教育などにも携わっている人。著者は「痴漢は依存症である」と述べている。実際に痴漢で逮捕され更生を目指す多くの人達と関わっているので、何故何度も痴漢を繰り返してしまうのかという事がリアルに書かれていた。痴漢という行為はあくまでも「性欲の発散」と思っていた私には、斬新な情報でした。「依存症」という病気なのであれば治療しない限り、痴漢が無くなる事はないでしょう。⇒ 2018/07/04
あっか
62
特に問題はないのですが(笑)話題になっていたので読んでみました。物凄くリアルな現状が綴られていて、途中気分が悪くなる箇所も…予防も再発防止もすごく難しいらしいです…でもそんな中で本当に真摯に取り組んでいる著者のような人もいるんだな。どうしてそうなってしまうのか?どうしたら再発防止できるのか?加害者家族になってしまったら?ということも細かく解説されています。痴漢の専門書は本書が初だそう。日本が痴漢大国なのも、痴漢だけやたら冤罪が取り沙汰されるのも、女性側の問題ではなく日本ならではの体質だということに納得。2018/06/13
Twakiz
32
痴漢行為は依存症である,ととらえて専門的な介入・治療が必要であると説く.加害者心理,再犯率の高さ,痴漢の理由は性欲を持て余して,,ではないことが多い,など実情がよくわかる.どうしてもセットで語られる「痴漢冤罪」の話題は土俵が違う,とあまり扱われていない.自分は満員電車の通勤時,淡々と読書で過ごします.汗.2017/11/25
ochatomo
25
お気に入りさんの昨年おすすめ第1位 “四大卒・会社員・妻子あり”“勃起していない”“生きがい”の意外さに一気に読み終えた 日本は痴漢がまん延し続ける男尊女卑社会 加害者への「痴漢は依存症です」「治療で止められます」のポスター掲示が求められる 今の「みんなの勇気と声で痴漢撲滅」では被害者への働きかけであり解決しない 『コミュニケーションが不得手で他者を尊重できない性質が、ストレスのはけ口を弱い者に求め、相手を征服、支配したいといった形で露呈』 依存症は生き方の病であり、行動面と精神面の回復が必要 2017刊2020/01/11
魚京童!
23
そもそも満員電車とか、映画館とか人と集まるから悪い。人と離れて、個人の家で生きている限り痴漢には絶対合わない。ということは問題は人間の接触であって、男だからとか女だからとか関係ない。よって引きこもって、株でもやっていればみんな幸せ。そういうことだよね?それでいいのかな。ストレスを感じるからそれからの解放を求めてもいるらしい。そもそも人と会うからストレスになるのであって、引きこもっていれば…。なんか違うよね。正論がいつも正しいとは限らない。2019/04/23