出版社内容情報
古谷経衡[フルヤツネヒラ]
著・文・その他
内容説明
私たちが知る歴史はファンタジーにすぎない。インターネット時代の気鋭の論客が、右翼と左翼、それぞれの主張をゼロベースで再検討する。
目次
第1章 幻想としての“戦後”(“戦後イデオロギー”の正体;「ヒロシマ」の復興はいつから始まったのか ほか)
第2章 不完全敗戦論(「ゼロからのスタート」の嘘;「貧しかった戦中」の嘘 ほか)
第3章 「敗戦=国家滅亡」の嘘(誤解だらけの「本土空襲」の真実;関西地方―ほぼ無傷で残った郊外都市 ほか)
第4章 “戦前”と“戦後”の分断と連続(経済的に見た「分断」と「連続」;軍事的に「敗戦」していない日本 ほか)
第5章 「戦後レジームからの脱却」の嘘(虚構としての「戦後レジーム」;「平和国家日本」の嘘 ほか)
著者等紹介
古谷経衡[フルヤツネヒラ]
著述家。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。1982年札幌市生まれ。立命館大学文学部史学科卒。インターネット問題からアニメ・映画評論まで、幅広い分野で執筆、講演活動などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
31
8月15日を分岐点とする戦後70年を幻想だとする力作の再検討論。70年間が平和国家だったとする左派の欺瞞、日米安保体制が日本を守ったとする右派の誤解等々、両陣営を一刀両断します。こうした戦後イデオロギーの外に多くの日本人がいる、という主張はまさにその通りで、安部政権の改憲論議が盛り上がらない一因ですね。2016/06/11
軍縮地球市民shinshin
6
左右両派を批判しており、そのイデオロギーで「戦後」を見るな、ということだと理解した。確かに著者が指摘するように、「戦前」と「戦後」は日本での場合断絶などしておらず、かなり連続している点が多い。僕は「戦後」が始まったのは、「戦前」生まれを、「戦後」生まれが逆転した1970年代だと思っている。ことさら「戦前」を否定し、「戦後」を賛美する論調がなんとなく「正しい」と、国民の多くが認識しだしたのがここらへんではないだろうか。2015/08/12
ノサル・ギャラガー
1
前半の空襲による都市被害の実像は丹念な資料の分析で興味深かった。後になると著者の「こうだろう、こうに違いない」という断定や推測が気になり始める。自分は左派に傾倒した人間なので、左右どちらにも平等に批判を加えた本書は勉強になった。煽るような書き方や漢語をやたら使うところはこの著者の特徴か。2020/01/02
入江・ろばーと
1
「戦前」と「戦後」が「分断」されているかのような言説の「嘘」を指摘していく、快刀乱麻な一冊。所々言い回しがくどいのが気になった。2016/02/22
ネコ虎
1
スカスカ本。戦後日本については、優秀な歴史家、評論家等が様々な見方をこれまで書いているのだから、それに伍するような内容でなければ書くべきではない。2015/11/11