出版社内容情報
ルー・バーニー[ルーバーニー]
著・文・その他
細美遙子[ホソミヨウコ]
翻訳
内容説明
刑期を終え出所したばかりの運び屋“シェイク”がコケティッシュな嘘つき女“ジーナ”を救ったばかりに大金と聖遺物をめぐる奔走劇にまきこまれる。追って追われて、最後に笑うのは誰なのか?愛すべき悪人たちの騙し合い…精緻な伏線で構成された超弩級エンターテイメント小説。
著者等紹介
バーニー,ルー[バーニー,ルー] [Berney,Lou]
シナリオライター、構成作家を経て小説家に。処女作である『ガットショット・ストレート』がパブリッシャーズウィークリーなど紙誌で高い評価を受けた、今注目のクライム・ノベル作家
細美遙子[ホソミヨウコ]
1960年、高知県高知市生まれ。高知大学文学部人文学科卒業、専攻は心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ずっきん
83
はああー、面白かった! 出所したばかりの腕利きの運び屋シェイクの夢は「いつか、地元の食材を使ったうまいレストランを開くんだ」頭もキレるし度胸もあるが、ここぞという時の判断を間違えるお人好し。ジーナとの、出し抜き、出し抜かれのヒリヒリ(ニヤニヤ)する攻防に加え、脇の登場人物達も魅力満載。軽妙な比喩、なおかつ余韻たっぷりに情景を描いて物語は波打ち、流れていく。こういうのはあちらの作家さんは抜群に上手いよね。想像が広がり、妄想がふくらむ。これが映像的な小説ということだ。もうね、ルー・バーニーは全て追う! 2019/10/14
Panzer Leader
67
これこれこれ!ドートマンダー物が好きな自分にとって正にどストライク。主人公達を始め登場人文物全てが頭のネジが1本外れたような言動で最高に面白可笑しい。上質なコメディ映画(自分にとっては「グレート・レース」や「フロント・ページ」)を見終わったような幸せな気分で本を閉じた。未訳ながら第三作まであるそうなので気長に待つ。2019/11/27
しゃお
36
出所したらレストランを開きたいと語る主人公のシェイクは有能な運び屋。その彼の元に巡ってくるのは大金と聖遺物を巡る冒険。相棒となる何から何まで信用できそうにないけどとびきり魅力的な美女ジーナ。そして聖遺物を巡って犯罪者もそうでない罪のない人も巻き込んでのドタバタ劇は、特に後半の疾走感がたまらなく楽しい!化かし合いを繰り広げ誰がハッピーエンドを迎えるのかドキドキしたりニヤニヤしたりさせるような駆け引きも、パナマのからりとした熱情が浮かぶような情景と共に楽しませてくれました!2020/01/09
stobe1904
25
【軽いタッチのクライムノベル】『11月に去りし者』が気に入ったので、この作品も読むことにした。11月…の叙情的なハードボイルド路線とはうって変わり、刑務所から出所したばかりだが、人がよく、憎めないところがあるシェイクと周辺の悪人たちや、ひとクセある美女のジーナとの掛け合いがとても楽しい。シェイクが登場する未訳があるようなので、シェイクとまた会いたいのだが…。★★★★☆2020/03/27
びっぐすとん
22
図書館本。『11月に去りし者』が良かったので、こちらも読んでみた。人物設定や背景に似た部分もあるものの、こちらはもう少し明るい展開。裏社会の人間にもそこそこ人間らしさが見えるし、ヒロインのジーナのパワーが光る。この作者の作品の男は女に振り回わされてばかりだ。しかし「鰯の頭も信心から」とは言うけれど、あんなものまで聖遺物とは恐れ入る。そもそもなんでそんなもの要求したのか?ありがたくは思えないし、神様だって迷惑だと思うけどなあ。映画化しても面白そう。2020/08/01
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- 和書
- 菊池寛全集 〈第12巻〉