出版社内容情報
光嶋裕介[コウシマユウスケ]
著・文・その他
内容説明
あこがれの建築事務所の扉を叩いたその日からぼくはベルリンで働くことになった。同時に暇さえあれば訪ね歩いた綺羅星のような建築たち―いまのぼくを形づくった一〇年間の“旅”の記録。
目次
自転車とブランコと銀色の空
ヨーロッパへの片道切符
ピキオニスの道
ウィーンと装飾
入口のない博物館
ヴェネチアの呼び鈴
ローマのベストフレンド
都市の噴水と楕円でつくられたふたつの教会
カルロ・スカルパという建築家
ドイツ語の先にみつけたもの〔ほか〕
著者等紹介
光嶋裕介[コウシマユウスケ]
建築家。1979年、米ニュージャージー州生まれ。1995年、早稲田大学本庄高等学院に入学。2002年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、同大大学院へ。石山修武研究室に所属。2004年、大学院卒業とともにヨーロッパへ。ドイツの建築設計事務所で働き、ベルリン生活を満喫。2008年に帰国し、事務所を開設。若手建築家の登竜門である、SDレビュー2011に入選。2010年より桑沢デザイン研究所にて非常勤講師。2012年からは、首都大学東京・都市環境学部に助教として勤務中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
69
著者は、内田樹さんの自宅兼道場の「凱風館」を設計した建築家。2004年に大学院修了後、ベルリンの建築設計事務所にインターン生として採用される。この本はベルリンで仕事をする傍ら、旅に出てはスケッチを重ねた「欧州の建築巡礼10年間の記録」エッセイ。カイザー・ヴィルヘルム教会をはじめ、聖ベネディクト教会、ホロコーストタワー、サン・マルコ広場、カステル・ヴェッキオ美術館、サヴォア邸、サグラダ・ファミリア、ストックホルム市立図書館、ルイジアナ近代美術館などの建築物が写真とスケッチとともに紹介されている。これらの建築2016/02/28
アマヤドリ
16
とても面白かった。機会があったら私もこの中の建築を見に訪れたいな。ポンピドゥーの横の建物はしょっちゅう見ているものなのに正体を知らなかった。2014/11/12
巣々木
4
内田樹の家を設計した建築家のドイツでの修業時代を綴ったエッセイ。ヨーロッパの建築を訪ねる旅と筆者のドイツでの暮らしの充実感が伝わって来るとともに、筆者のバイタリティーに刺激を受けた。建築には興味があるのだがとっかかりを掴みかねていたので、入門編としても良かったように思う。まずはこの人の他の著作にもあたってみたい。2017/12/12
fu-ma
3
著者が旅のなかで見たこと、感じたことが体験談と著者自身の見事なスケッチで語られ、自分もこのようなアウトプットができたらと思う。内容は体験記であるが、著者自身の私的な見解も知識と体験をもとにした優れたテキストであるが、土地の文化や気候、歴史的背景や建築物のコンペの経緯など広い視点で紹介されている点が素晴らしい。訪れた地域や建築が広くどう捉えられているのかと視点と著者自身の体験から語られる見解に触れることができ、ヨーロッパの旅を疑似体験したような内容となっている。やはり、若い時代の旅は宝物!2015/01/06
ひろち
2
海外ひとり旅をしていた時にゲストハウスで日本人の方と出会った。その時にその人が熱心に語る建築談義に心を惹かれその後、建築物の見方を少し意識するようになった。日本に戻ってきて何か取っつきやすい建築の本はないかと探していた時にこの本に出会ったのだった。今まで触れたことのない建築への語りになかなか馴染むことができず、ちょこちょことかなりの時間をかけてようやく読み終えたのだが、建築に音楽を感じたという表現が妙に印象に残っている。2016/11/09