出版社内容情報
九鬼周造[クキシュウゾウ]
著・文・その他
内容説明
江戸時代より広がり、いまや日本国民共通の美意識と考えられている「いき」。哲学者・九鬼周造によれば、「いき」は世界でも日本だけにみられる感覚であるという。日本人にも説明の難しいこれらの感覚を、西洋理論を用いて分析する。その哲学とも、日本文化論とも異なる、日本の思想史上もっとも異色な論文を漫画化。
目次
序章
江戸っ児
媚態
意気地
「いき」の外延的構造
諦め
終章
著者等紹介
九鬼周造[クキシュウゾウ]
1889~1941。日本の哲学者。東京帝国大学で哲学を学んだのち、8年間ヨーロッパ諸国へ留学。学問を続けるなか、強く日本の美と文化に惹かれ、主著『「いき」の構造』の論文に着手し、帰国後に発表。その後は京都帝国大学教授となり、西洋近代哲学を教えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほじゅどー
15
★★「いき」の構造をまんがで読破。春の桜や秋の紅葉など、儚いものには「いき」が宿っている。「いき」には3つの要素がある。①媚態(異性と自分との間の緊張感。いろごと)、②意気地(自己に対する制約。武士は食わねど高楊枝)、③諦め(垢抜けた様、世間の裏切りによって得られる「無常」の観念)。意気vs野暮、渋みvs甘み、上品vs下品、派手vs地味。これら様々な経験を踏まないと見出せない美学。いきの美学は、恋の束縛を超越した浮気心。2015/02/19
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
13
九鬼周造の代表作を、江戸の市井に生きる人々の人情話としてストーリー仕立てにしたもの。けっきょく「いき」とは何かについて、わかったかというとそうではなく・・・。「100分de名著」のスペシャル版(日本人論)に収められているので、そちらを読んでみたいと思います。2024/03/23
かやは
8
漫画。現代でも「いき」は美徳として通じるだろうけど、個人の裁量によるものが多すぎるし、長い経験を積まないと身につけることができない。継承するのが難しいから、一般化することはできないと思った。親方のような「いき」を身につけた人間は、自分の人生を肯定して生きていけるから羨ましい。些細なことでおろおろしてしまう自分が情けなくなる。2024/08/19
フク
6
原典挑戦したい2019/04/30
ちいちゃん
5
本を読んだ方がわかりやすかった。2016/05/27