出版社内容情報
芥川龍之介[アクタガワリュウノスケ]
著・文・その他
内容説明
人生のはかなさを感じているひとりの青年。知識に富んだ彼は創作活動に精を出し、作家としての地位を確立していくが、神経質な性分と多忙な生活から自分を見失い、精神的にも肉体的にも抜け出すことの出来ない闇の中へと身をゆだねていく…。『或阿呆の一生』と『歯車』―芥川龍之介晩年の自伝的作品2編を漫画化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルカリオン
10
KindleUnlimited 予備知識ゼロで読んだら、芥川の自伝だった。鬼気迫る迫力▼夏目漱石に評価されて文壇デビュー。2021/09/22
つきみ
10
芥川作品の中で何故かこれだけは原作を読んだ記憶がない。深い沼にはまりこんだかのような作家の苦悩を感じ、だが読み手としては苦しさを通り越し官能さえ感じる。それが芥川の魅力なのだと再認識。苦しみながら紡ぎ出した言葉をやっぱり原作で読んでみようと思う。2012/07/28
チェ・ブンブン
9
なるほど「或阿呆の一生」を読んで、芥川の人生に触れた上で、「歯車」を読むといかに彼の人生とリンクしているかがわかるとのことだな! そして魔性の女、あるいは危険な女とは関わらないで生きて行けたらなと痛感させられた。珍しく、鬱な主人公にシンパシーを抱いた。2013/05/24
ひじり☆
7
芥川龍之介さんの自叙伝。何だか賢い人でも裕福でも、常に何かに追われているようで苦しそうな生き方は辛そうだった。2022/10/15
黒崎ディートリッヒ
7
文豪、芥川龍之介がその死の間際に書き残した物語『或る阿呆の一生』そして、遺作『歯車』の2作。 再読。確かに芥川は精神的に病んでもいたし狂気に陥った結果、若くして自殺を遂げた。彼の母が幼い時に発狂したとか、彼にとっての先生だった夏目漱石の急死がショックだったとか色々理由はあるだろうけど、彼が狂気に陥った一番の理由は「創作」だった気がする。彼は小説の犠牲になったのか。日本文学の先を行く文豪のひとりは、物語を書くことで物語に殺されてしまったのかな。あくまで個人的意見ですけど、読んでいて何となくそう思いました。2014/10/19