出版社内容情報
バーバラ・オークレイ[バーバラオークレイ]
著・文・その他
酒井武志[サカイタケシ]
翻訳
内容説明
「二重らせん」は邪悪な運命を内包する―よこしまで不誠実でうつり気。しかし奇妙な魅力で人を惹きつけた美しい実姉の変死後、著者はその遺品箱から日記と手紙の束を見つけ、たちのぼる霊気に誘われるがごとく、ある探求を始める。そしてやがて姿を立ち現した、恐るべき科学的真実とは…。
目次
0章 呪われたDNA
1章 姉はこうして狂っていった
2章 「邪悪な成功者」の正体
3章 人の性は善か、悪か
4章 気まぐれな遺伝子
5章 共感しない脳
6章 脳が私に嘘をつかせる
7章 悪魔に魅入られた男
著者等紹介
オークレイ,バーバラ[オークレイ,バーバラ][Oakley,Barbara]
ミシガン州オークランド大工学部准教授。ベーリング海のソ連漁船に通訳として乗り組み、南極で無線技師を務め、陸軍では兵卒から大尉にまで昇進している。世界最大のバイオエンジニアリング学会の副会長でありシステム工学の学位も有する
酒井武志[サカイタケシ]
京都大学理学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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eirianda
9
自分の衝動も妬みも嫉みも怒りもすべて先天的な遺伝子のせいにできたら仕方ないと諦め楽かもしれない……。それと、もし我が子が遺伝子の不幸な組み合わせによりサイコパスとなって生まれてきたらもう『破壊者ベンの誕生』の世界だな。心理学のいう生育環境、親の接し方、トラウマ云々はいったいどこまで有効なのか? マオの異常ぶりを読んだら、カリスマ性のある為政者や経営者は、実はみんな反社会性の要素があるのではないかと思ってしまう。たとえ人格者のようなエピソードが常に語られていたとしても、それすら巧妙な仕掛けに思えてくる……。2015/05/03
GASHOW
8
人類は知能を進化させている。進化の遺伝子には悪に関するものもある。作者は姉がサイコパスであったことが関心を持つきっかけで研究テーマにしようと思った。ドラックはセロトニンに影響を与えるが、セロトニンは線虫のような生物も持っており進化のかなり昔からあらゆる生物が利用している。悪の遺伝子はわかっているが成長期の過ごし方によって抑えられたままの人もいる。2016/08/01
mint
5
特に学術的な話ではなく、問いが上げられているというものだったのでさらりと読む。いわゆる「道徳に逆らった」状態とは何によって作り上げられるのか、という内容。 今のところ答えはない。異常を規定していくのも、ある程度はその時の社会である。よって常に、答えは個別に用意していく他ないのだと思う。2022/02/06
シロクマとーちゃん
4
筆者の姉についての謎を追求する話かと思いきや、最後は唐突に毛沢東の話になって、しかも、どの話も、伝聞をもとに、境界性パーソナリティ障害などの精神科的な概念にこじつけているようにも思える。実際に、指摘が正しい可能性はあるけれど、実証的ではないので、この本自体が、かなり、独断と偏見に満ちているように感じてしまう。2017/08/28
john
3
つまらない...随所にはさまれる図版はいったいなんなのか?こんなアバウトな図が研究の役に立つのだろうか?参考文献も付いてないし。自分の姉と毛沢東の話が大半。もっと違ったアプローチを想定して読み始めたので、あて外れでした。2017/06/04