内容説明
川野里子の366日。
著者等紹介
川野里子[カワノサトコ]
1959年大分県生まれ。歌誌「かりん」編集委員。歌集に『太陽の壺』(第13回河野愛子賞)、『王者の道』(第15回若山牧水賞)。『硝子の島』(第10回小野市詩歌文学賞)、『歓待』(第71回讀賣文学賞)など。評論集に『幻想の重量―葛原妙子の戦後短歌』(第6回葛原妙子賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あや
24
川野里子さんに「ウォーターリリー」で出会い「歓待」に感銘を受け、この歌集を手に取る。疫病に世界が揺れた2020年の短歌日記。疫病が大きく生活を変えた1年、短歌が「今」を詠むことの大切さをあらためて教えてくれる歌集。 烏瓜ふたつ花咲きしらじらと疫病といふは物音のせず/炭酸泉のなかなる身体はあやふくて輝きはじむ泡につつまれ/ゆりかごと思ひみてゐる天の川心愛ちやんありき結愛ちやんありき2023/12/05
おはぎ
6
2020年の1年間を手に取るように思い出した。過去のことなのだけれど、三十一文字の力でまるでぜんぶが昨日のことのように思われる。懐かしくはなかった。「『あかりを消してもいいですか?』初夜に、臨終に、わたしの隣りに囁く声す」「どんぐりをひとつ山から盗みたりどんぐり盗まれ山は輝く」2023/03/12