出版社内容情報
◆新詩集
いいことがあったときにほうり投げるために帽子はある。そうなのか。そうだったのか。それならばこの詩集を…◆新詩集
いいことがあったときにほうり投げるために帽子はある。そうなのか。そうだったのか。それならばこの詩集を読み終えたらまず何よりも、私は帽子を空高くへほうり投げよう。
(栞より・松下育男)
◆収録作品
いいことがあったとき
帽子をつかんで
空へ 思いっきり
ほうりあげる人がいる
喜びが
空のあのへんまで
わき上がっているんだ
と はっきり
目に見えるように
(「いいことがあったとき」より)
山本純子[ヤマモトジュンコ]
著・文・その他
目次
あのひと
おいかけっこして
散歩
ジャングルジムは
とびばこよりも
きつねうどんをたべるとき
いもむし
ハイどうぞ
いいことがあったとき
朝〔ほか〕
著者等紹介
山本純子[ヤマモトジュンコ]
1957年石川県生まれ。2004年詩集『あまのがわ』花神社(第55回H氏賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおり
26
疲れてんのかな、わたし。とても爽やかな詩という印象なのに、読んでいて苦しくなる。 「ジャングルジムは」を読んだとき泣きそうになった。泣かないけど。わたし、疲れてるな、きっと。2019/07/06
きゅー
9
H氏賞の受賞経験もある山本純子氏による詩集。子どもの視線で書かれた詩が多い。あとがきにて、アホロートル(通称ウーパールーパー)の幼形成熟について触れ、自分の中のむずがゆさの感覚、すなわち自分の中のアホロートルを追いかけた詩集と書いているのも納得させられる。公園、放課後、たんぽぽ、電池、ジャングルジムなど郷愁をそそられるモチーフから、ふんわりと彼女独自の視線の世界が広がる。すっきりとして、さやわか。彼女の詩からは、日常よりももう少しだけ幸せな世界が見えてくるのが嬉しい。2019/05/29