出版社内容情報
◆第一句集
鍋釜につらなるわれや雁帰る
石垣りんの「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」の詩を想起…◆第一句集
鍋釜につらなるわれや雁帰る
石垣りんの「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」の詩を想起するのは私だけでないだろう。無名の女性の一人として、しかし、同時に今を生きる人間の一人として世界を見つめ生き方を考えていこうとの意志が籠められている。
(序より・高野ムツオ)
◆自選十五句より
穴出でし蜥蜴に朝の広田湾
ヒコロとは白繭のこと山笑ふ
種物屋ありしあたりの水溜り
引鴨のいちばんあとを知子仏
苗市の真中に磯の荷をほどく
手向けある白詰草の髪飾り
燕来る津波の泥を嘴に
青饅の放つ酢の香や地震のあと
慟哭や津波跡地のランドセル
火のごとく椿が咲いて激震地
素足の跡・高野ムツオ
野葡萄 15
蝶の道 61
乳銀杏 107
祭 笛 149
雪解光 189
山 彦 225
あとがき
阿部菁女[アベセイジョ]
1939(昭和14年) 盛岡市生まれ
1962(昭和37年) 秋田大学学芸学部音楽科卒
1979(昭和54年頃) 「暖鳥」入会
新谷ひろしに師事
1987(昭和62年) 「小熊座」入会
佐藤鬼房に師事
1988(昭和63年) 「小熊座」同人
目次
野葡萄
蝶の道
乳銀杏
祭笛
雪解光
山彦
著者等紹介
阿部菁女[アベセイジョ]
1939(昭和14年)盛岡市生まれ。1962(昭和37年)秋田大学学芸学部音楽科卒。1979(昭和54年頃)「暖鳥」入会。新谷ひろしに師事。1987(昭和62年)「小熊座」入会。佐藤鬼房に師事。1988(昭和63年)「小熊座」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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