あったこともない人々―佐藤理江歌集

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  • サイズ B6判/ページ数 136p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784781409382
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

出版社内容情報

◆第五歌集

シリカゲル原野につもり一列に歩みをやめぬバックパッカー



何か心を揺すぶられることがあ…◆第五歌集

シリカゲル原野につもり一列に歩みをやめぬバックパッカー



何か心を揺すぶられることがあると、心の中にいちいち瞬間最大風速が吹く。

過去の体験や見たことや聞いたなかで、「ああ、今と同じような気持ちになったことがある。」という心当たりがいちどきに押し寄せてきて、(もちろん人前ではやらないが、たとえば車を運転しながら)滂沱滂沱ということがある。

(あとがきより)



◆収録作品より

泥棒と思った人を追いかけて!思っただけですぐ追いかけて!

考えることをしている暇もなく工作キットを順序よく出す

カーテンに隠れ五階の窓に立つ遠い外からだけ見られたい

裾野から削っていっててっぺんの高さを保つ選挙公約

僕は今日、生まれてこない人たちを差別することなくつきあった

外国の海をまたいでやってきた巨大な足の裏を見上げる

さっきから困った顔をされているあえて訳した枕詞に

差別って知らない人を遠巻きに見ることだろう(今見られてる)

分かり合う面倒くささに気づかないみたいな感じ議事録に誤字

質問を繰り返す人のてにをはがさっきと違う議論は進む

考える時間が足りません 7

パン屋を探す 11

望まれる人望まれない人 16

使用禁止 19

水分子 23

幽霊 27

ぎぎぎぎぎ 31

雲と地面の間 35

誰かを責めても仕方ないでしょと言われることが多い 38

不採用通知 42

七〇パーセント 46

雪だけどみんな真面目 49

改めて気に入らない体 52

まあ水だけど 55

世界、が平和でありますように 59

ゴム手袋 64

虚構ですが見えます 70

棚のすきま 73

車、替えました 77

忍耐 81

見られる 84

点呼 87

橋を渡る 90

書かれていない物を読む 94

てっぺん 97

近代 100

ねじれの先 104

台無しの手紙 107

落とされる 111

年越す 115

陰口 118

お互いに礼 122

指示どおり待て 126

持ってたんだね 130

手のひらの新しい皮膚 134



あとがき

佐藤理江[サトウリエ]
1967 東京生まれ。
1985 短歌を始める。
1999  ネットサイト「お気楽短歌生活」 
http://www1.u-netsurf.ne.jp/‾okiraku/
2000 短歌研究臨時増刊「うたう」企画で佳作。
2002 第1歌集『虹の片脚』
2003 未来短歌会入会。
2005 第2歌集『箱船』
2008 第3歌集『避雷針の先端の銀』
2012 未来賞受賞 第4歌集『西日が穏やかですね』

目次

考える時間が足りません
パン屋を探す
望まれる人望まれない人
使用禁止
水分子
幽霊
ぎぎぎぎぎ
雲と地面の間
誰かを責めても仕方ないでしょと言われることが多い
不採用通知〔ほか〕

著者等紹介

佐藤理江[サトウリエ]
1967東京生まれ。1985短歌を始める。1999ネットサイト「お気楽短歌生活」。2000短歌研究臨時増刊「うたう」企画で佳作。2002第1歌集『虹の片脚』。2003未来短歌会入会。2012未来賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

25
外国の海をまたいでやってきた巨大な足の裏を見上げる p9 介添えのまた介添えのつぎつぎともうおしまいの海なのでした p17 この晩を便器の中に水漬くかな形式としてロール一巻き 放課後のトイレは呪詛の場であった床にも濡れて転がるロール p19 わたくしの中の海をば漂えるあと一音を置き去りにするp23 涙ってその場で乾くものでしたまぶたに残る白い結晶 p24 両頬が丸くふくらむ水分子次々離れ空焚きのやかん p25 さっきから困った顔をされているあえて訳した枕詞にp92017/04/27

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