出版社内容情報
◆第一句集
返り花あたり見回すやうに咲き
小春日のころ、桜やつつじが季節はずれの花をつけることが…◆第一句集
返り花あたり見回すやうに咲き
小春日のころ、桜やつつじが季節はずれの花をつけることがある。可憐であるが、それを、周囲をうかがうように遠慮がちに咲いていると見た。春や夏に咲き競っている花とくらべて寂しい趣で、いかにも初冬らしい。見事な感情移入。
(帯より・鷹羽狩行)
◆大野崇文抄出句より
食積の海老が牛蒡に支へられ
厳寒やあめつちのもの慈しみ
魚は氷に上りて人は旅ごころ
夕闇の襞の中より蚊食鳥
八月の空や声なき声の降る
真つすぐに雲を見つめて捨案山子
生きもののごとく追ひ来る山の霧
野の花をさらりと活けて月祀る
繕ひの妻と分けあふ夜長の灯
返り花あたり見回すやうに咲き
序句・鷹羽狩行
鑑賞三句・鷹羽狩行
走り茶 平成九年?十八年 9
夏帽子 平成十九年?二十一年 41
霜の声 平成二十二年?二十三年 75
蜻蛉釣 平成二十四年?二十五年 105
樟若葉 平成二十六年?二十七年 135
跋・大野崇文
あとがき
久保田至誠[クボタ シセイ]
目次
走り茶―平成九年~十八年
夏帽子―平成十九年~二十一年
霜の声―平成二十二年~二十三年
蜻蛉釣―平成二十四年~二十五年
樟若葉―平成二十六年~二十七年
著者等紹介
久保田至誠[クボタシセイ]
本名久保田正明。昭和16年山形県生まれ。平成9年作句開始。平成14年「狩」入会。平成17年「狩」茨城支部入会。平成18年第27回「狩」評論賞。平成20年「狩」30周年記念評論賞。平成21年「狩」同人、俳人協会会員。平成23年茨城県俳句作家協会奨励賞。平成23年評論集『滅びゆく季語』(飯塚書店)刊行。平成25年「狩」35周年記念評論賞。現在「狩」同人、俳人協会茨城県支部幹事、茨城県俳句作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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