内容説明
代表作を網羅し精選428句を収録。
著者等紹介
中村草田男[ナカムラクサタオ]
1901~1983。明治34年7月24日、清国福建省厦門の日本領事館に生まれる。本名は清一郎。大正14年、東京帝国大学文学部独逸文学科に入学するが、中学以来の神経症の再発に悩む。休学中の昭和4年、高濱虚子に入門。水原秋櫻子の指導を受け、9月号の四句入選をもって「ホトトギス」に登場、川端茅舎、松本たかし等とともに嘱望される。国文学科に転科、法医学教室にいた高野素十と吟行をかさね、写生を習得。昭和8年、32歳で成蹊学園に就職、のちに大学部政経学部教授
横澤放川[ヨコザワホウセン]
1947年生まれ。昭和50年中村草田男に師事して「萬緑」に入会。萬緑賞受賞とともに萬緑の編集に従事。萬緑選者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumiha
16
何といっても文庫本であるのが嬉しい。持ち運びに楽であり、ちょっとした隙間時間に読み返せる。今朝の新聞にも「吾妻かの三日月ほどの吾子胎すか」があったが、胎す女性の側からすれば、そんなんと違うわ~とも思ふが、第三者的だから「三日月」なんて措辞を見つけられるのかもしれない。「妻抱かな春昼の砂利踏みて帰る」「妻二タ夜あらず二タ夜の天の川」など妻大好き人間の草田男。知りたいのは、妻の方は嬉しかったのか?うっとおしかったのか?楽しい句は、「蟷螂は馬車に逃げられし馭者のさま」「がらくた荷離さで転落青谷へ」など。2015/11/02
まるめろ
7
風と土と草の匂いがする。気がする。整ってはいるが綺麗という感じではなく、あくまで生活の中にあるものたち。あるものをあるがままに、ちょっとだけ整えて。そんな風に感じた。2020/03/24
tsu55
2
草田男の句は清新で生き生きとしていていいですね。僕のお気に入りは「玫魂や今も沖には未来あり」です。2015/03/31
ありくし
1
金魚手向けん肉屋の鉤に彼奴を吊り2013/10/26
shashadance
0
「葡萄食ふ一語一語の如くにて」の人って認識しかない状態で読んだ。タイトルだけ見て熱い感じの句を詠む人なのかと思ったら全然違く、なんか涼しげ。夏に読みたい。2018/05/20