内容説明
このドラマは、抗争の中にあったあるヤクザの組が、抗争を鎮圧し、やがて仲間の粛清に入り、一人の組員を疎外することで仲間意識を高めていく物語である。或いは、こうも言える。ヤクザの世界にとどまらぬ人間の営みの普遍がそこにあると理解し、組織を死守しようとする男と、それがヤクザの世界だからと別の世界を求め、そこを離れようとする男の、友情に似た内的抗争の物語である。
著者等紹介
岩松了[イワマツリョウ]
劇作家、演出家、俳優。1952年長崎県生まれ。自由劇場、東京乾電池を経て「竹中直人の会」「タ・マニネ公演」等、様々なプロデュース公演で活動する。1989年『蒲団と達磨』で岸田國士戯曲賞、1994年『こわれゆく男』『鳩を飼う妹妹』で紀伊國屋演劇賞個人賞、1998年『テレビ・デイズ』で読売文学賞、映画『東京日和』で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
allite510@Lamb & Wool
5
「岩松さんがヤクザを描く?」と驚きとともに手に取ったが、びっくりするくらい、いままでの戯曲とあまり変わらない。日常的な会話の中にふと噴出する暴力性が、単に「暴力のプロ」のものになっただけとも言える。場違いな電気鉛筆削りの音などが入ることもなく、むしろ分かりやすい印象。私は唐突に入る鉛筆削りの音とか、好きなんですが。「アテ書き」ということもあるのだろう、主演の阿部サダヲをイメージして読むといろいろ捗る。2017/11/20
ことぶき2011
0
岩松さんが珍しく(今までにあったのかな?)極道たちを描いた戯曲。 舞台は観ていないのだけど、阿部サダヲさんが躍動する姿が目に浮かぶ。 岩松作品は難しいので、1回読んだくらいじゃ、何も僕にはわかりません。 あいかわらずセリフがシンプルで好きですが。2011/07/27
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