内容説明
明けむ日の勝算胸にさだまりて、悠々馬首をめぐらすや、莞爾たる老将軍の帽の上に悲雁一連月に啼く―老将軍はいまや無名の典型となって、馬首をめぐらし、ナショナリズムを越境してグローバルな世界(のちの社会主義的思想)へ旅立とうとする―
目次
啄木詩「老将軍」考―越境するナショナリズム(啄木詩「老将軍」発見の経過;啄木詩「老将軍」と「マカロフ提督追悼の詩」;仮説の探求;「曹洞宗制」と啄木伝記とのかかわり;啄木詩「老将軍」の一視点―越境する啄木のナショナリズム)
生活の風景と言葉(風景認識の前進;生活の発見と深化;啄木的世界の発展)
書評(中村稔著『石川啄木論』;上田哲著『啄木文学・編年資料 受容と継承の軌跡』)
対談 生誕百二十年 石川啄木と現代(碓田のぼる;三枝昂之)
著者等紹介
碓田のぼる[ウスダノボル]
1928年生まれ。歌人、教育運動家。高校教諭を経て、全国私教連委員長、全教副議長などを歴任。渡辺順三に師事。新日本歌人協会全国幹事、日本民主主義文学会員、国際啄木学会会員。歌集『花どき』で多喜二・百合子賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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