内容説明
教育と教員生活が難しくなっていく時代、同和問題、政党と労働組合、維新政治…降りかかる難題。それでも子どもが一番!新任からの全教師生活を丁寧に彫り込んだ力作長篇。
著者等紹介
松本喜久夫[マツモトキクオ]
1945年三重県生まれ。三重大学学芸学部卒業。38年間大阪市の小学校教員をつとめる。日本民主主義文学会会員。日本演劇教育連盟会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひさちゃん
5
1960年代後半から2000年代前半に小学校教員だった作者が、自身の軌跡を題材にして描いた物語。舞台は大阪市。主に描かれているのは権力や集団圧力に立ち向かう教師の生きざま。「風に立つ」はその意味と思う。組合が分断されたその時代が描かれている。主人公・淳一が教育活動だけでなく、組合活動に頑張る姿に胸が熱くなる。最後まで読み、主人公が最後に勤めた学校とその校長が、映画「みんなの学校」の大空小学校と初代校長・木村泰子さんがモデルと知り驚いた。胸に熱い想いをもつ淳一さんのような先生はいつの世もいて欲しいと思う。2022/09/23