内容説明
画狂人北斎。その画業三昧の浮世離れした生涯を、娘として、女絵師として支えたお栄。貧窮にあえぎながらも、絵筆一本で時代をまっすぐに突っ切った二人の生の人間像が、赤裸々な魂の叫びが、今、鮮烈によみがえる。
著者等紹介
三日木人[ミカギジン]
1950年生まれ。学卒後、コピーライター、編集ライターとして活動し、編集制作会社を主宰。還暦を迎えたころ、思うところあり、30年間経営してきた会社を畳み、歴史小説作家としての執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あおい
3
図書館本。北斎とお栄の話は「眩」「北斎と応為」「百日紅」で存分に読んだので、この最晩年の話は別段目新しき内容では無いが、粋な江戸弁にはじまり洒落や地口、都々逸らがふんだんなので生き生きとした江戸っ子の生活が垣間見え、私にはそれがまさに興味深く二度三度と目を通す楽しみを感じた。だが、北斎にしても馬琴にしても、本名、画号(筆名)の他に通称や諱なんぞがややこしや~。お栄の末期についてはちょっと、、、とてもドラマチックなのだが、なんとも言い知れぬ寂しさを覚えた~消息不明という顛末ではなぜいけなかったのか、、、2018/01/19
かみーゆ
1
最近立て続けに葛飾応為関連本を読んでるんですがこれも良かったなあ。お栄、スゴく江戸っ子な魅力に溢れたキャラとして描かれてましたね。登場人物みんなだけど。大河べらぼうでやたらと「ありがた山の〜」って言ってますけど、本書でもそんな言葉遊びが盛りだくさん。会話が楽しいのがいいです。途中途中で著者目線の解説が入ってくるのも良かったな。陳舜臣さんとかもやってましたよね。元編集者という著者の経歴からしても納得です。最期もこれはこれでありかと思います。しかし英泉✖️応為って最初にこの設定にしたの誰なんですかね。2025/09/02