出版社内容情報
本書は1970年代以来の筆者の「地域に根ざす学校づくり」実践の多くの事例についての調査・研究に基づくものである。
第一部 「地域に根ざす学校づくり」と現代
序章 ?子どもが主人公?の教育改革と「地域に根ざす学校づくり」
はじめに ――本書のねらい 12
一.「地域に根ざす学校づくり」とは… 14
二.今なぜ「地域に根ざす学校」なのか 21
――?地域と学校?にとっての現代――
三.地域・家庭の教育力の衰退と求められる教育改革 31
四.子どもの成長の危機と学校の教育力 38
五.文科省の地域学校政策と「地域に根ざす学校」の課題 43
〈補説〉「学校づくり実践」という概念について 47
第一章 戦後日本における「学校への父母・住民参加」と学校づくり〈概史〉
一.「学校への父母・住民参加」とは何か 52
二.戦後学校改革の意義 ―― 戦後改革と父母・学校・地域住民―― 54
三.戦後初期の「父母・住民参加の学校づくり」 55
四.新憲法の下、教育の機会均等を求めて ―― 一九五〇年代―― 56
五.父母・住民の要求・批判に学ぶ教師たち 60
――「勤評闘争」「『学テ』闘争」の中から
六.「学校づくり」をめざして ――一九六〇年代前半 62
七.「高度経済成長」のひずみと「地域に根ざす教育」の誕生 66
八.低成長期の地域生活と学校づくり 72
九.父母・教職員・生徒による?新しい学び?と学校づくり 76
――愛知・私学の壮大な学校改革
一〇.父母・住民参加の学校づくりの現代的な意義 79
第二部 「地域に根ざす学校づくり実践」の展開
第二章 三重県員弁郡の「地域に根ざす教育」と父母・住民参加の学校づくり
はじめに ――「地域に根ざす学校づくり」と三重・員弁 84
一.員弁の地域と学校教師 86
二.地域・子どもの変化と「いなべの土の中の教育」 90
三.員弁における「地域に根ざす教育」の展開と学校づくり 93
四.まとめにかえて 103
第三章 高度経済成長による農村の変貌と「地域に根ざす教育」の創造
―― 京都府・川上小学校の学校づくり――
はじめに ――新たな「学校の自治」のあり方 106
一.川上小学校と地域 107
二.渋谷忠男教頭の公教育観と学校づくり 109
三.学校教育方針づくりと教育実践 111
四.教育条件整備と住民参加 118
五.地域における住民自治の歴史と「地域生活実態調査」 119
六.教職員集団の自律と結束 123
七.おわりに 127
第四章 府中小学校(兵庫・但馬)の「地域に根ざす学校づくり」
はじめに ―― 府中小学校と校区の状況―― 132
一.府中小学校「地域に根ざす学校づくり」の経緯 134
二.家庭・地域の教育力の再生とともに発展する学校づくり 137
三.府中小の授業改革と地域に学ぶ社会科カリキュラム 142
四.老人たちと歩む学校づくり 150
五.府中小学校の学校づくりを支えたもの 152
第五章 一九八〇年代大都市・東京における「父母に開かれた学校づくり」
――葛飾区立亀青小学校の実践
一.「父母の学校参加」と日本における課題 166
二.東京都葛飾区・亀青小学校における「父母参加の学校づくり」 172
三.父母の学校参加を切り開いた条件 183
四.むすびにかえて 186
第六章 過疎地における地域の再生と学校づくり
――一九八〇年代の京都府・美山町の地域づくりに学ぶ――
一.美山における地域づくり・学校づくりへの着目―教育のめあてを改めて考える― 190
二.地域に根ざす昼間定時制高校(北桑田高校美山分校)の学校づくり 197
三.八ケ峰中学校の平和学習と学校づくり 208
四.美山の地域づくりと人間形成 225
五.まとめ ――美山のとりくみに学ぶ 236
第七章 高知県・奈半利中学校の?共和制?と生徒参加の学校づくり
はじめに ――奈半利町と学校の概要 244
一.奈半利中学校の「共和制」と学校づくりの歩み 247
二.「三者会」から創造的な?学び?へ 251
三.奈半利中学校の生徒と教師 261
おわりに ――奈半利中学校の学校づくりの成果と課題―― 263
〈補説〉高知県?土佐の教育改革?と「地域に開かれた学校づくり」 269
第八章 鹿児島県・高田小学校の学校づくりと食農教育
――「農業の持つ教育力」と住民自治の力が学校を変える―
一.高田小学校と「地域ぐるみの食農教育」の展開 282
二.食農教育 ――その実践内容と成果 292
三.「高田村づくり委員会」と食農教育 301
四.高田小学校の「食農教育」の成果が示すもの 314
五.高田小学校「食農教育」をめぐる今後の課題 321
第九章 地域に根ざす?生徒の行きたい?農林高校
――佐賀県立伊万里農林高校の学校づくり――
はじめに ――伊万里農林高校の実践との出会い 328
一.佐賀県伊万里市と伊万里農林高校の概要 331
二.伊万里農林高校「学校づくり」と豊かな?学び?の創造 335
三.小括 ――学校改革としての特色と成果 345
四.伊万里農林高校の統廃合問題と地域・父母 351
終章 「地域に根ざす学校づくり」の成果と展望
一.本書の「ねらい」に即して 360
二.「地域に根ざす学校づくり」の事例に学ぶ 362
三.まとめにかえて 371
あとがき 374
初出一覧 381
仲田 陽一[ナカタ ヨウイチ]
仲田 陽一
熊本大学シニア教授
1947年 兵庫県西宮市に生まれる
1970年 神戸大学教育学部卒業
1978年 東京大学大学院教育学研究科博士課程(教育行政学専攻)単位取得退学
1978年 熊本大学教育学部講師着任、その後同助教授を経て教授
2012年 熊本大学定年退職
2013年より現職
この間、日本教育学会、日本教育法学会、九州教育学会理事、及び教育科学研究会、
地域と教育の会、地域民主教育交流研究会全国委員などを務める。
現在 熊本大学シニア教授、中国・河北師範大学客員教授
熊本県民間教育研究団体連絡協議会会長、民主教育研究所評議員
主な著作
『知られざる中国の教育改革』(かもがわ出版、2014年)
『部落問題の教育史的研究』(共著、部落問題研究所、1978年)
『戦後同和教育の研究』共著、部落問題研究所、1980年)
『学校の再生』(共著、労働旬報社、1984年)
目次
第1部 「地域に根ざす学校づくり」と現代(“子どもが主人公”の教育改革と「地域に根ざす学校づくり」;戦後日本における「学校への父母・住民参加」と学校づくり“概史”)
第2部 「地域に根ざす学校づくり実践」の展開(三重県員弁郡の「地域に根ざす教育」と父母・住民参加の学校づくり;高度経済成長による農村の変貌と「地域に根ざす教育」の創造―京都府・川上小学校の学校づくり;府中小学校(兵庫・但馬)の「地域に根ざす学校づくり」
一九八〇年代大都市・東京における「父母に開かれた学校づくり」―葛飾区立亀青小学校の実践
過疎地における地域の再生と学校づくり―一九八〇年代の京都府・美山町の地域づくりに学ぶ
高知県・奈半利中学校の“共和制”と生徒参加の学校づくり
鹿児島県・高田小学校の学校づくりと食農教育―「農業の持つ教育力」と住民自治の力が学校を変える
地域に根ざす“生徒の行きたい”農林高校―佐賀県立伊万里農林高校の学校づくり
「地域に根ざす学校づくり」の成果と展望)
著者等紹介
仲田陽一[ナカタヨウイチ]
熊本大学シニア教授。1947年兵庫県西宮市に生まれる。1970年神戸大学教育学部卒業。1978年東京大学大学院教育学研究科博士課程(教育行政学専攻)単位取得退学。1978年熊本大学教育学部講師着任、その後同助教授を経て教授。2012年熊本大学定年退職。2013年より現職。この間、日本教育学会、日本教育法学会、九州教育学会理事、及び教育科学研究会、地域と教育の会、地域民主教育交流研究会全国委員などを務める。現在、熊本大学シニア教授、中国・河北師範大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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