内容説明
教育と福祉をつなぐ新しい取り組み、スクールソーシャルワーク。子どもを取り巻く環境に目を向け、関係機関と協力して様々な角度から支援の方法を探る。子どもの貧困問題の解決に、これまでにない角度から示唆を与える一冊。
目次
第1章 家庭を訪れる中で見えてきたもの
第2章 子どもの心に寄り添う
第3章 多様なニーズを知る
第4章 学校、関係機関と力をあわせる
第5章 私にとってのスクールソーシャルワーク
第6章 解説(増山均) 福祉と教育と文化をつなぐ―スクールソーシャルワーカーがきりひらく実践の世界
著者等紹介
大田なぎさ[オオタナギサ]
スクールソーシャルワーカー
増山均[マシヤマヒトシ]
早稲田大学文学学術院教授。日本子どもを守る会副会長、『子ども白書』編集委員。子どもの権利条約市民NGO報告書をつくる会共同代表、「つくる会通信」編集長。日本学童保育学会代表理事。子ども・子育て、子どもの権利に関する著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
26
本著は、スクールソーシャルワーカーである著者の実践記録である。子どもの貧困や虐待・ネグレクトが深刻さを増し、不登校や長期欠席の子どもたちが増える中で、学校(教育)現場の中で福祉職の果たす役割を考えることができる良書だと思う。著者は、一貫して子どもの最善の利益の立場から、子どもに寄り添って実践をしている。生活問題が何かを深く探りながら学びと遊びを保障することで、「先生」ではなく「さん」と呼ばれる存在となっている。僕は、同じスクールソーシャルワーカーとして子どもの思いに立てているのか深く反省を迫られた。2016/01/04
こぽぞう☆
17
ケーススタディ中心に書かれている。「養育力欠落型不登校」初めて聞く言葉だが、問題を抱える家庭というのは一種類ではない。私も一歩間違えばその縁を乗り越えたかもしれないと思うと、恐ろしい。スクールソーシャルワーカーというものが、日本の制度に根づきつつあるのは良いことだと思う。2016/02/22
はる
12
図書館本。いつもの図書館の面展台から。年度がわりで新一年生にたくさん出会う学童のおばちゃんが読むには、少しばかり切ない本。子どもは、親以外の家族以外の先生以外の友達以外のもっともっとたくさんの人々に出合ってほしいと思いながら読み終える。(なるべく良いおとなにたくさん出会えますように!)2018/04/08
joyjoy
4
いろんな状況にいる子どもたち。自分にできることは?まずは知ることから。2017/02/13
ひこうき
3
学生時代、興味のある資格でしたが、他の資格との兼ね合いで実習とか入れられなかったスクールソーシャルワーカー。関係機関などが広いので繋げていくのも大変だろうと。保育所を出てからちゃんと小学校に通えるかな、と思う家庭に何度も出会ってきました。そういう人たちを何とか救おうとしてくれる、素敵な仕事だと思いました。2020/01/22