内容説明
本書では、マルクス・エンゲルス等の古代国家形成に関する考察にたって、従来の日本古代国家形成論への批判的検討を行い、あわせて氏族・部族社会の「原民主主義」と、古代ギリシャ・ローマの古代民主主義、および近世ヨーロッパの民主主義との関連にかんする、エンゲルス等の考察の観点と方法を念頭に、古代中国の都市国家とその文明を考察し、東アジアの民主思想と日本の民族的な進歩的思想の性格と特質の探究をこころみた。また、先述のとおりに氏族・部族の原始集落・都市も都市国家群さえも存在しない「万世一系の天皇制」なる、近世~現代の尊皇日本史論の性格とその役割の解明をも探究した。
目次
第1章 「邪馬台国」論争の検証
第2章 「邪馬壹(一)国」と「邪馬臺(台)国」
第3章 国号 日本と「邪馬臺(台)国」
第4章 近代日本古代史学の特異性
第5章 古代中国正史類にたいする態度
第6章 「前方後円墳」等にかんして
第7章 都市国家の必然性と日本古代史学
第8章 氏族社会の原民主主義と儒教
第9章 北条~足利時代の「天命論」について
著者等紹介
草野善彦[クサノヨシヒコ]
1933年12月16日、神戸に生まれる。1957年武蔵野美術学校(大学)西洋画科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。