出版社内容情報
「外来種ってなんでしょう?」外来種の動植物たちの声をインタビューする形式で紹介。外来種について考えるきっかけになる1冊。
目次
カミツキガメ
アライグマ
シロツメクサ
アカボシゴマダラ
スクミリンゴガイ
ウシガエル
ミシシッピアカミミガメ
キョン
ヌートリア
オオヒキガエル〔ほか〕
著者等紹介
大島健夫[オオシマタケオ]
1974年千葉県生。詩人。早稲田大学法学部卒業。2016年ポエトリー・スラム・ジャパン2016全国大会優勝。フランスのパリで開催されたポエトリー・スラムW杯に日本代表として出場。準決勝進出。ベルギー、イスラエル、カナダなどの詩祭やポエトリー・スラムにも出場するかたわら、房総半島の里山を舞台にネイチャーガイドとしても活動している。現・千葉市野鳥の会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
99
世界中で外来生物が問題になっている。生態系の破壊や人の生活にも影響を与える。この本は日本で問題になっている、外来生物38種を紹介している。紹介の仕方がユニークで冒頭のカミツキガメが外来生物と日本にやってきた経緯や事情を対談形式で説明してあること。外来生物たちは人間の身勝手さを痛烈に皮肉っている。食用のため、他の生物を駆除するため、交易時についてきたものなど、生き物に否があるケースはない。ハクビシン、アメリカザリガニ、ミシシッピーアカミミガメ他 すぐ近くにいる外来生物といえばイエネコもそうである、図書館本2020/09/03
鱒子
69
図書館本 ナビゲーターのカミツキガメさんが外来生物を訪ね歩き、インタビューする内容です。勝手に連れてこられた挙句、害をなす存在だと決めつけられて駆除の対象になるーーだいたいどの生物もこのパターンではあります。しかしそれぞれの動物がキャラクターたっぷりに自分語りをしてくれるので、分かりやすい。興味深く読みました。2020/07/04
たまきら
36
作者さんの気持ちがストレートに伝わってきます。自分だって、基本的には彼と同じ気持ちだもの。なぜ人間の愚行を、彼らが命を持って償わなければならないの?と。でも、著者の視点にも偏りがあります。セイヨウミツバチも外来種ですし、多くの人たちの庭を彩る植物も外来種が多いでしょう。彼らはいいの?また、在来種の視点は?外来種同士の語りあいに、在来種のカメや魚、ハナバチたちの言葉は出てきません。昔、水が干上がりかけた夏の水元公園で、途方に暮れたような大きなカミツキガメを見た時を思い出しました。…自分は通報しなかった…。2021/03/23
わむう
25
カミツキガメが外来種を代表して、今、日本にいる動植物や昆虫などにインタビューに行きます。人間の勝手で住処を変えられたにもかかわらず、自分たちを駆除しようとする人間の身勝手さを暴露したり、復讐を企てたり、あきれ果てていたりと、人間こそが一番駆除されるべきだと思っている気がしました。2020/10/27
hal
10
外来種とは。「アフリカ出身で移動して世界に蔓延ったホモサピエンスも立派な外来種では?」と思ったら、ちゃんと目次に定義が。人為的に持ち込まれた生物種のことのようです。本の内容は、カミツキガメさんが、色んな外来種のところへインタビューに行き、その気持を聞いて来ます。傲慢なコブハクチョウさんには、お家芸の噛みつき技を繰り出すというオチもあります。「人間は在来種のいきものを絶滅させ、外来種を増やすのが好きなのでは」「猫は世界と日本の両方の侵略的外来種ワースト100に選定されている」には納得しました。2020/07/04