内容説明
身分も性別も国籍の壁も軽々と越え、文化ネットワーク「我楽他宗」を創設した大正昭和の奇人・三田平凡寺、その実像に迫る初の単著。
目次
第1章 三田平凡寺と「にぎやかな智識」(荒俣宏)
第2章 三田林蔵から平凡寺へ(藤野滋)
第3章 平凡寺と我楽他宗試論(夏目房之介)
第4章 絵事の特徴とその系譜(熊倉一紗)
第5章 スタールが見た平凡寺の日本(ソルター・レベッカ)
第6章 神秘と抽象―鈴木大拙、柳宗悦、我楽他宗(安藤礼二)
第7章 国際ネットワークとしての我楽他宗(チャプコヴァー・ヘレナ)
第8章 平凡寺からのメッセージ(安藤礼二;夏目房之介;藤野滋;チャプコヴァー・ヘレナ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
10
明治から昭和にかけて生きた趣味人、平凡寺三田林蔵と彼をとりまく自由人について。夏目房之介「不肖の孫」で紹介されて初めて知った人物である。書影にあるのはローラースケートを履いて得意げな平凡寺。本書はプラハ生まれの若い研究者チャプコヴァー・ヘレナによって編まれ、夏目房之介をはじめとして荒俣宏などが寄稿している。複数の著者がそれぞれの観点から光をあてていくうちに、平凡寺の立体像が浮かび上がる仕掛けである。2024/05/20
takao
2
ふむ2024/08/10
志村真幸
2
荒俣宏「三田平凡寺とにぎやかな智識」、藤野滋「三田林蔵から平凡寺へ」、夏目房之介「平凡寺と我楽他宗試論」、熊倉一紗「絵事の特徴とその系譜」、ソルター・レベッカ「スタールが見た平凡寺の日本」、安藤礼二「神秘と抽象──鈴木大拙、柳宗悦、我楽他宗」、チャプコヴァー・ヘレナ「国際ネットワークとしての我楽他宗」の7つの論考と、安藤・夏目・藤野・チャプコヴァによる座談会である「平凡寺からのメッセージ」から構成されている。 非常に魅力的な人物であり、さまざまな方面につながっていきそうな素材でもある。 2024/03/31
ひでまろ
1
★★★☆2024/11/30
chuji
1
久喜市立中央図書館の本。2024年1月初版。書き下ろし。身分も性別も国籍も越えて、蒐集家の文化ネットワークを広げた明治大正期の「奇人」三田平凡寺とは何者か―――。平凡寺の全貌に迫る初の単著。1934年3月3日午前11時半に出た自分の糞便を型抜きして作った「黄金佛陀」にはビックリ!長さ一尺四寸。2024/03/19