内容説明
黒曜石のトレンドは信州産。お土産がつなぐ縄文経済。抜歯に入れ墨、奇抜なフッション。生きづらい現代社会のオルタナティブ縄文スピリット。
目次
はじめに 縄文人が慈しみ愛した地
01 日本列島の歴史、ほぼ縄文時代問題
02 現代人もマネしたい?!縄文的身軽な定住スタイル
03 縄文時代のクリエイティビティがエグすぎる件
04 縄文人がなかなか稲作を始めない件
05 縄文スピリット今も昔もこれからも!
おわりに 縄文時代、それは1万年の退屈
著者等紹介
笛木あみ[フエキアミ]
1987年横浜生まれ。慶應義塾大学中退。人間がまだ自然と一体だった頃、ヒトのこころがどんなだったか知りたくて先史時代の勉強をはじめ、縄文時代にハマる。自由で身軽な縄文人に激しく憧れ、さまざまな職を転々とする。現在はウェブライター、ヨガ&瞑想インストラクター、たまに小説や詩も執筆。ZINE「火振水」を不定期で発行。一児の母(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シナモン
99
春は山菜採り、夏は漁、秋は木の実を拾って、冬は狩猟。稲作しなくても十分豊かな生活をしていた縄文人。そんな彼らが稲作を始めたきっかけは気温が下がっていわゆる「縄文時代カレンダー」がうまく回らなくなったから。なるほど、そうだったのか。弥生時代から令和の現在までの時代をまとめても、縄文時代の四分の一にも満たないという長い長い縄文時代。豊かな暮らしをしていた縄文人が少し羨ましくなった。信州産黒曜石にこだわる縄文人も微笑ましい。親しみやすい文章とイラスト。読みやすくて面白かったです。2024/02/02
☆よいこ
88
タイトルに魅かれ書き出しに惚れました「現代人のみなさん、どうですか、ストレスためてますか」縄文時代は文字が無かったので正確な開始時期が不明だが、約1万3000年間続いた平和な時代だった。[1.日本列島の歴史、ほぼ縄文時代問題][2.現代人もマネしたい?!縄文人的身軽な定住スタイル]ワーク/グルメ/ファッション[3.縄文時代のクリエイティビティがエグすぎる件][4.縄文人がなかなか稲作を始めない件][5.縄文人スピリット今も昔もこれからも!]アイヌ文化/諏訪と神話▽この著者只者じゃない文才w2022年刊2023/11/07
しいたけ
83
約1万年に渡って続いた縄文時代。なにやらとても住みやすく豊かな暮らしだったことがわかる。余暇の時間が長かったとか、黒曜石でも諏訪産ブランドにこだわって旅をするとか、健康な歯をフォーク型に削ってしまうなど、不思議なことばかり。自分のルーツかもしれないのに面白がるばかりだった。昭和だの平成だのと巷では隔世を語っているが、なーんの、小さい小さい。2024/03/30
yomineko@ヴィタリにゃん
70
縄文式生活をやや行っているが、定住している時点で自然に反している。定住のためには自然を大幅に加工、つまり人間に都合の良い食べ物を育てる必要が出て来る。彼らは森羅万象に自分達も含め、本当の意味で自然と共生していた。稲作しなくても温暖な気候で四季折々の食べ物が十分にあった。労働は1日4時間、他の有り余る時間を持て余し、否、暇を潰しつつ複雑な模様の土器を作ったり無意味に抜歯してみたり(笑)この生活様式を継承しているアイヌはやはり素晴らしい。自己啓発だの英会話だの現代人は苦し過ぎる。縄文人の様に自然に生きたい。2024/03/12
tamami
62
自由で身軽な縄文人に憧れ、さまざまな職を経て現在はウェブライターという著者。農耕なしの定住生活を営んだ縄文人の衣や食、コミュニケーション等の日常生活と共に、縄文土器や土偶、黒曜石等のテーマについて、現代に生きる普通人の視点を色濃く反映した見方で語られていて、興味を惹かれる。後半、弥生時代に入ってきた稲作が全国に展開するまでの各地におけるドラマと、アイヌ文化や長野県諏訪に残る縄文の痕跡が熱く語られる。常日頃諏訪に住んで、信州ブランドの黒曜石に頻繁に接している身としては、些か面はゆい感じもする楽しい本である。2023/03/02