内容説明
日本が子どもの貧困対策を学んできたイギリスでは、労働党政権下、超党派による「子どもの貧困法2010」が制定され、2020年に子どもの貧困率を10%以下とする具体的目標が明記されました。しかし、政権交代などにより、政策と議論は貧困から「社会移動」に移り、子どもの貧困法は後退し、「ライフチャンス法」へと模様替えをしています。削減目標も達成されず、子どもの貧困が増加している現在、「子どもの貧困アクショングループ」は、ライフチャンス改善のためにも、子どもの貧困解決に取り組む必要があると訴えます。2013年の子どもの貧困対策法制定以来、貧困の世代間連鎖を断つことに主眼がおかれてきた日本にとって、本書で示される議論や政策・指標案は、多くのヒントとなることでしょう。
目次
ライフチャンスという考え方
所得を抜きにライフチャンスが語れないわけ
家族の構造、家庭環境、ライフチャンス
保育・幼児教育と子どものライフチャンス
学校の内と外―子どもたちの教育に対する貧困の影響
健康、ウェルビーイング、発達のために十分な生活水準
子どもたちのメンタルヘルスと貧困とライフチャンスと
住居・住環境と子どものライフチャンス
不確実な「移行」、先の見えない労働市場、若者のライフチャンス
「生まれ」と「運命」を結ぶ鎖を断ち切る
ライフチャンスを測定するには?
ライフチャンスを改善する戦略とは?
著者等紹介
松本伊智朗[マツモトイチロウ]
北海道大学大学院教育学研究院教授。貧困研究、教育福祉論。北海道子どもの未来づくり審議会会長、札幌市子ども子育て会議児童福祉部会長、社会保障審議会児童福祉部会専門委員、内閣府子供の貧困対策に関する有識者会議構成員等の公職のほか、反貧困ネット北海道代表、「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人など市民活動にも参加
松本淳[マツモトジュン]
英語翻訳者。2006年頃よりブログでの発信を細く長く続け、近年は教育関係のブログ記事も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jackbdc
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