内容説明
“小説の神様”志賀直哉。4篇の短編小説を読み直し、神話や民俗的伝承に根差した根源的な社会批判を読み解く。
目次
第1章 『小僧の神様』―神話や民俗的伝承に根差した、根源的な社会批判
第2章 『城の崎にて』―神話から湧き上がる、原初の世界の死生観
第3章 『焚火』―霊的存在や神が紡ぎ出す、自然と人間との神秘的融合
第4章 『真鶴』―和歌と歴史を媒介にした、心境小説/社会小説
著者等紹介
島村輝[シマムラテル]
フェリス女学院大学教授。専門は、日本近代文学、プロレタリア文学。「逗子・葉山九条の会」事務局長、日本社会文学会代表理事などを歴任。「蟹工船」エッセーコンテスト選考委員長を務めるなど、小林多喜二研究で知られる。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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明るい表通りで🎶
48
”小説の神様“と呼ばれた志賀直哉。四編の短編小説を読み直し、神話や民族的伝承に根差した根源的な社会批判を読み解いている。優れた文学作品は決して「過去」のものではなく「文学=史」として、私たちが呼吸し、生活している今につながる、生きた「社会」の姿、「歴史」の現れそのものだといえる。プロレタリア文学者・小林多喜二は志賀を師と仰ぎ、志賀も多喜二を高く評価していた。多喜二や同時代の文学愛好者たちぎ敏感に感じ取ったように、志賀直哉は、「社会性」「歴史性」が読み解いていかれるような「言葉」を連ねた、希有の作家だった。2025/11/05
明るい表通りで🎶
44
【人生を変えた一冊🌠】小林多喜二は、志賀直哉の何処に惹かれたのか。志賀直哉という人はどれほどの作家だったのか。多喜二は志賀のどうゆうところに感服し、何を感じ取ったのか。2025/11/05
しろねこ
2
「小僧の神様」そ、そうか…な…??? 「城の崎にて」なんかよくわかんないけど好き、のなんかよくわかんない部分を言語化してくれた感じ〜!そうそれそれー!これの面白いとこそこー! 「焚火」未読。面白そう読もう…小僧の神様よりは解釈がわかるというかわかりやすい符号が並んでるなって。 「真鶴」未読。和歌が入ると暗号解読の趣があるな…2024/07/06
こさと
1
地元図書館の本。2021/03/27
Tsujita Ken
1
教科書では習うけど興味もなければ直ぐに忘れるしその後に読むこともないんだけど、何故かこの本を読もうと思って、もちろん一回も読んだことの無い本を読み直すことが出来るはずもなく、とりあえず別にちゃんと短編集を買って読んで見たけどサラッと読んでも全然面白くない。そこで本書を読んでみると「あぁそういう風に解釈するのか」とちょっと文学をかじった気分になれます。でもまあ一般の人がこんな読み方をするとは思えないので研究者ならでわなのだろう。歴史と一緒で実際のところはわからないのが想像力を掻き立てていいのだろうか。2023/05/25




