内容説明
「資本主義だ」説、「社会主義だ」説、どちらでもない説。これほど見方の分かれる問題はないだろう。第一級の研究者5名が、長文の見解を提出し、それをふまえて質問と意見をやりとりし、その上で長時間の議論を重ねた。これらの到達を経て、新たに書き下ろしたのが本書である。
目次
1 「21世紀・社会主義」のあり方(何を課題とするのか;「社会主義をめざした」国々―20世紀と21世紀;「社会経済状態が遅れたところ」からの特殊性;「官僚制」と「経済的基礎 市場経済」との関連;「市場経済化・第2段階」における中国の課題)
2 中国社会・経済の制度的特徴をどうみるか(はじめに―理論および現実理解の相違;中国社会・経済の現状をどうみているか―2020年春;中国経済の制度的特徴;社会主義市場経済をどう理解すべきか?;中国における政治的民主主義の諸問題)
3 中国は「社会主義をめざす資本主義」である:補足(資本主義はその可能性を汲み尽して初めて社会主義に移行する―「社会主義か」と「良い国か」は別の問題;「政府規模」の長期法則と市場システム理解の問題について―資本主義の定義について;「自由」は目標、「民主主義」は手段―「民主主義」は手段にすぎない;来るべき「中国覇権」は「よりましな世界秩序」―中国は一貫して軍事介入に反対;香港「民主派」のデモはどう理解しなければならないか―香港デモへの基本的評価)
4 資本主義・社会主義・大国主義―今日の中国の諸問題によせて(市場経済化の新段階に入った中国;史的唯物論からみた中国;「一党支配」体制からみた中国;核兵器問題と中国の大国主義的対外路線)
5 中国の体制規定とその変革の論理(中国の体制規定について;中国における体制転換;中国の大国化と国際対応の新時代)
資料編 シンポジウム「中国は社会主義か!?」
著者等紹介
芦田文夫[アシダフミオ]
1934年京都生まれ。57年京都大学経済学部卒業、62年同博士課程修了。社会主義経済論・比較経済体制論を専攻、経済学博士。62年から2005年、立命館大学経済学部に在籍し、旧ソ連・東欧・中国・朝鮮と学術交流、同名誉教授。日本ユーラシア協会京都府連副会長、日中友好協会準会員。京都労働者学習協議会会長
井手啓二[イデケイジ]
1943年福岡県生まれ。1970年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。立命館大学・長崎大学教授を経て、両大学の名誉教授。中国・福州大学客員教授(2008~2017年)
大西広[オオニシヒロシ]
京都大学大学院修了。慶應義塾大学教授、京都大学名誉教授、日中友好協会副理事長、World Association for Political Economy副会長、北東アジア学会前会長。経済学博士
聽涛弘[キクナミヒロシ]
1935年東京生まれ。京都大学経済学部中退、1960‐64年に旧ソ連に留学。日本共産党中央委員会国際部長、政策委員長を歴任、元参議院議員
山本恒人[ヤマモトツネト]
1943年北京生まれ。日中戦争敗戦後46年引揚げ。69年大阪外国語大学中国語科卒。80年神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。80年大阪経済大学経済学部専任講師。助教授、教授、特任教授を経て2014年退職。同大学名誉教授。神戸大学博士(経済学)。現在、日本中国友好協会大阪府連合会副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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