内容説明
選挙小屋で党員とおしゃべり。政党が文具やコーヒーを無料配布。小学生が政治家にインタビュー。グレタを生み出した自由で楽しい北欧民主主義。
目次
1 選挙はお祭り!楽しい北欧流選挙(ムーミンのバケツに無料配布グッズをつめて。フィンランドの国政選挙;選挙スタンドで市長とチェス。ノルウェーの選挙風景 ほか)
2 若者と考え作る民主主義(若者の投票率がたったの10%!フィンランドの高校生が対策を考える;スマホで検索しながら授業。生徒を信頼した授業づくり ほか)
3 未来を担う若者たち(多くの市民は政党に所属し、青年部が大きな影響力を持つ;党の政策はみんなで決める。大人は介入しない、青年部の総会 ほか)
4 日常にあふれる政治(夏フェスに首相がひょっこり現れるワケ;SNSで市民にラブレターを送る政治家たち ほか)
著者等紹介
あぶみあさき[アブミアサキ]
鐙麻樹。ジャーナリスト、写真家。1984年秋田県生まれ。ノルウェーの首都オスロを拠点に北欧情報を発信。ノルウェー国際報道協会理事会役員。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程(副専攻ジェンダー平等学)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーから「国を日本に広めた優秀な大使」として表彰される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
106
北欧の民主主義の強さ。 楽しい選挙、高校の模擬選挙(小・中も!)、政治家が高校に来て討論会、これ日本でもやったら2025/02/07
けぴ
49
人格と議論は別のもの〜自分と意見が違う意見を持っている人がいることに感謝し、人格と考えを切り分ける。互いを尊重することの大切さを知り、意見が違う人は嫌いと考えない。北欧での根本に流れる思想。これが、税金が高くても幸福度ランキングで、フィンランド、スエーデン、ノルウェー、デンマークが上位常連になっている理由。日本も見習いたいものですね!2021/09/28
Nobuko Hashimoto
33
非常に面白い! 力が湧いてくる本。幸福度やジェンダー、教育、報道の自由等々で常に評価の高い北欧諸国だが、それは政治や政治家が身近で、若い頃から政治や政治家に関心と関わりを持つ社会であるからだとわかった。活気ある選挙、政党活動の柔軟さなど参考になること、うらやましくなることがいっぱい。面白すぎてなかなか感想を記録できなかった。後日あらためて整理してまとめよう!→関西ウーマンの書評にまとめました!https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=2025572024/12/13
まさ
32
北欧の国々の10代の若者と政治の現状についての1冊。読んでみて感じる政治の近さ。選挙時には"スタンド"があちこちに設けられ、様々な場面で政治が語られる。自他が平等であり、他を尊重する土壌があるからできているのだろう。一方で若者の投票率の低さへの対策も興味深い。ありがちな"投票の仕方"の模擬選挙ではなく、各政党青年部が生徒の前で政策議論をし「投票」する場面があること。自由に議論し他の意見も聞くことが自分の考えの形成と表明につながるのだろう。写真も多数掲載されていて、北欧の国の様子も伝わってきた。2020/08/08
いとう・しんご singoito2
12
読友さんきっかけ。北欧の羨ましいような民主政治が描かれている。「自分たちのことは自分たちで決める」社会は本当に素晴らしい。図版多数でそちらを見るのも楽しい。しかし、西欧帝国主義の領土的野心の対象とならなかったスカンジナビア三国やプロイセンに大規模な領土割譲を行って、自由を確保したデンマークと、米英仏の砲艦外交に翻弄された東アジアや植民地化の対象とされた世界の諸国を同列に論ずることは難しいだろうなぁ、と思ったのでした。2025/01/13