内容説明
泥さんは反戦・反差別・反貧困の闘志であった。本書は泥さんが遺した膨大な書き物を厳選して編んだ一冊だ。文字だけれど、泥さんの肉声に触れることができる。泥さんの戦う姿も見えてくる。読者は泥さんの熱い思いに触れて涙し、笑い、勇気づけられるだろう。
目次
憲法と安全保障
戦争と歴史認識
沖縄問題
中国・北朝鮮・領土問題
テロ・国際紛争
差別とレイシズム
貧困と労働問題
原子力発電
市民運動論
歴史・宗教
創作
日記
著者等紹介
泥憲和[ドロノリカズ]
1954年、兵庫県姫路市生まれ。中学卒業後、陸上自衛隊に入隊。除隊後、職業を転々とする中で部落解放運動と出会い、1978年から皮革工場の経営に携わる。この間、独学により知識を蓄える。工場をたたんだ後、1992年から神戸総合法律事務所、2008年から姫路総合法律事務所に勤務し、消費者金融問題に取り組む。2007年から各種SNSで精力的に発信を開始。街頭での演説や単身行ったアンチヘイト・カウンター行動がネットで拡散され、全国的に注目される存在となる。2014年にがんで余命1年を告げられるが、その後もネットでの発信、講演、市民運動を続けた。浄土宗門徒。2017年5月3日の憲法記念日に、反戦・反差別・反貧困の人生を終えて浄土へ旅立った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sin'iti Yamaguti
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泥さんにはいわゆる学歴といえるものがない。中卒で陸上自衛隊に入隊したからだ。家が貧しかったせいだが、そこで上官から受けた訓話が彼を変えた。民主主義・平和・人権尊重を国是とする日本を守る、その決意は職を転々としながらも揺るがなかった。豊富な知識、資料探査、論理的思考、行動力、ユーモア、思いやり、どれもこれも私には足りないが、泥さんの爪の垢を煎じて飲みたい気になる。逝去直前に予定されていた講演会に参加するつもりだったのに、結局体調悪化で中止になった。かえすがえすも惜しい、もっと早くに知っておくべきだった。2019/03/31