感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
86
イラクからの難民家族が、大事に連れて来た猫とはぐれてしまう。地元の猫に威嚇されて食べものにありつけないクンクーシュの姿が、人の縄張り争いと重なって見えた。心優しいボランティアの人たちの手で家族の元へ帰ることができたという、本当に奇跡のような実話絵本。2020/01/23
♪みどりpiyopiyo♪
63
まっくらな空。エーゲ海の波がはげしくゴムボートにぶつかります。10月のつめたい風をあびて、みんな体をよせあいました… ■切羽詰まった状況から物語は始まります。紛争のために、着の身着ままでふるさとの国から逃げ出さなくてはならないお母さんと子供達。腕には1匹の猫。■この本、とっても良かった! 親しみやすい猫の実話を通じ難民問題を心で感じる絵本。 巻末には、国連難民高等弁務官事務所からのメッセージと訳者解説、資料、そして 深く考えさせるワーク。大人も読んで、答えの出ない問いを是非考えてみて!(2018年)(→続2019/12/02
k sato
29
難民は人間だけじゃない。動物もまた然りだ!イスラム国の激しい戦闘によって廃墟と化したイラクのモスル。そこを脱出し、トルコ、ギリシャを経てノルウェーに難民として渡った母親と5人の子どもがいた。その道中、飼い猫のクンクーシュと離れ離れに。しかし、難民ボランティアに保護されたクンクーシュ。SNSを駆使し四か月後には家族のもとに戻ることができた。たった一匹の猫に多大な労力をかけることには批判もあったはず。しかし、クンクーシュの物語は難猫とその家族の壮絶さを世に発信するきっかけになったのではないだろうか。2023/08/22
たまきら
28
迷子になった猫と、ネコが家族に再会できるために骨を折った人々の魔法の連鎖のような実話です。先日もう少し年上の人用の本を読んだので、オタマさんのためにこちらを借りてみました。「本当にあったことなの?」と何度もたずね、陸続きでほかの国に行けるという不思議さを感じていました。そうなんだよね~。2019/01/30
ケ・セラ・セラ
25
難民家族とはぐれ、幸運にも心優しい人たちによって救われた一匹の猫。日本では遠い国の話と思われがちな難民について、子どもたちが知り考えるきっかけとなる絵本。あとがきで「多くの人が助けを必要とするなか、一匹の猫に多くの時間と労力をさいたため、批判する人もいた」とあります。災害時にも耳にすることがある難しい問題だと思います。世界に目を向けるのはもちろんのこと、この国でも災害避難者や貧困格差、差別など問題は限りなく、全てに寄り添うことは難しいけれど、優しさと行動力は必要であり、大きな力だと思います。2021/03/21
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