内容説明
安倍政権に至る戦後自民党政治の根本矛盾を明らかにし、その転換を迫る。各分野のトップランナーとの熱論。
目次
孫崎享 暴力としてのアメリカ―ポスト「戦後」の針路を問う時代へ
水野和夫 資本主義の死の時代を生き抜く
中島岳志 「戦後レジーム」をどう終わらせるか
中村文則 「戦後」を動かぬ日本に問う
信田さよ子 反知性主義の時代
佐藤優 沖縄問題の淵源には「廃藩置県の失敗」がある
岡野八代 日本国憲法体制と人権の危機―歴史の岐路としての戦後七〇年
栗原康 気分はもう、焼き打ち
内田樹 この危機に臨んで人文学にできること
島田雅彦 国家の自殺をくい止められるか〔ほか〕
著者等紹介
白井聡[シライサトシ]
政治学者。京都精華大学人文学部専任講師。1977年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員、文化学園大学助教などを経て現職。『永続敗戦論―戦後日本の核心』(太田出版)で第4回いける本大賞、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
20
白井さんは、行動する学者だと思う。これからも、もっともっと行動してほしい。対談ではなく「対話」というタイトルを付けたのはどうしてだろう。それにしても、対話の相手の方々も皆、白井さんに負けず劣らず熱い! ということにエネルギーをもらった。だが、沖縄の翁長知事は亡くなり、安倍さんはまたまた総裁選に出馬する・・・。2018/08/26
ちゅーとろ
3
”永続敗戦論”で戦後から始まった天皇の代わりにアメリカを天と仰ぐ国体を議論し、自らの政治思想を明示した白井聡。白井聡と気鋭の思想家との熱い対談集。孫崎亨、水野和夫、中島岳志、佐藤優、内田樹など俗説を拒否する人たちとの対話で、永続敗戦の議論がわかりやすく深みのある理解になる。2019/01/13
hase45
2
★★★★☆ 対談の形だと著者の主張がわかりやすく入ってくる。自分とは違った意見の人の言説にも耳を傾けることが大切。2024/01/07
Asakura Arata
1
信田先生のところで、最近カウンセリングを希望する人は、ばかばかりで嫌になる、本当は頭のいいひとをみたいんだけど、みたいなことが書いてあって、分析の先生方の本音を代弁していると思った。このような状況が、分析が劣勢になっている要因の一つになっているのは確かだ。2018/04/29