内容説明
予期せぬ妊娠や増える性感染症そして、インターネットの普及にともなう性情報の氾濫と世界とのつながり…自分の生と性を大切にし互いを尊重し合う関係を育てるにはどんな性教育をすればいいのか?世界8か国の教科書を参考に考えます。
目次
オランダ
フィンランド
フランス
ドイツ
イギリス
オーストラリア
中国
韓国
日本
まとめと提言 子ども・若者たちに科学と人権、平等な関係性にもとづいた性教育を!
著者等紹介
橋本紀子[ハシモトノリコ]
女子栄養大学名誉教授。ジェンダー平等をすすめる教育全国ネットワーク世話人代表。専門は教育学・教育史
池谷壽夫[イケヤヒサオ]
了徳寺大学教養部教授。社会福祉学博士。ジェンダー・セクシュアリティと教育を、男子問題を中心に研究している
田代美江子[タシロミエコ]
埼玉大学教育学部教授。“人間と性”教育研究協議会代表幹事。専門はジェンダー教育学、近現代日本における性教育の歴史、ジェンダー・セクシュアリティ平等と教育、東アジアにおける性教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いちろく
50
日本の学校における性教育は遅れていると言われるが、何と比べて?と聞かれた時に、提示される答えの一つが、他の国と比較して、と改めて解った。避妊法や性感染症予防法だけでなく、緊急相談場所や入手場所、緊急避妊薬についても学校教育で教えていると知り驚くと共に、コレが世界の常識なのだと目が覚めた。単なる知識だけを教えるよりも、よっぽど親身で実用的だ。タブー視せず必要な事を伝えて教えていく事が、より現実に沿った内容にも繋がるのだと。今の日本では、まだ難しいだろうけれど。2018/02/26
ryo
8
色々な国の性教育や実践が教科書をもとに語られていく。2022/07/03
kenitirokikuti
8
●中国。かつて中国といえば一人っ子政策のイメージだったが、2002から第二子が認められうるようになり、16年には「二人っ子政策」に転換した。●韓国。儒教に基づく男尊女卑や性の多様性の否定は根強く、中絶の合法化も成っていない。性暴力やDVの予防教育は広く行われているが、いまだ件数は多い。男の性欲を非難する傾向が強いようだ(心当たりある)●日本。LGBTsに関する記述はあるものの、生物でもヒトの生殖を扱わない。性徴の説明図も裸から着衣に後退した。とかく若者がセクシュアリティの主体となることを認めない。2018/09/24
たお
6
世界の8カ国(欧州5、アジアオセアニア3)と、本邦の小学校~高校までの教科書と学習課程を細かく比較しながら、性教育への取組を考える本。昨年のジェンダーギャップ指数が114位/144カ国とメチャメチャ低いのが気になって購入。我が国の性教育は、未だに百年近く前の純潔教育を引き摺り『臭い物には蓋』的な『後退』を続けているらしい。少子高齢化は、曖昧な性教育の賜に思えてならない。国連諸機関は日本政府に性教育の在り方を懸念し、勧告を出しているのだそうだ。国際社会から心配される程に酷いんだな、ニッポンは!2018/08/24
葵
3
ヨーロッパの複数の国の教科書が紹介されていたが、全体的にとても詳しい。実際に性交する際に何に気をつければ良いのかなどが実感として分かるような記述がされていたり、図も豊富。一方で、日本は(韓国もかなり遅れているように感じたが)2002年頃から性教育が後退している。私は後退してから教育を受けた人間だが、大学に入るまで具体的な避妊方法を知らなかった(しかもその授業を取らなければ恐らくもう数年知らなかっただろう)。AIDS患者も多いことだし、性教育にもっと積極的になるのは必然だろう。2022/02/20