内容説明
「戦後最大の名目GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」という3つの的に向けて放たれる「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」という3つの矢の実体とは?「ニッポン一億総活躍プラン」の内実を明らかにし、長期的な課題である日本の人口問題解決にとりくむための基本的な論点を、データにもとづいて総合的に示します。
目次
序章 「一億総活躍社会」、「新・3本の矢」とは
第1章 いまなぜ「一億総活躍」なのか
第2章 安倍内閣の「新・3本の矢」の検討
第3章 これまで歴代政権の「少子化対策」―なぜ効果があがらなかったのか
第4章 「3つの失敗」の根源にあるもの―現代日本の「資本主義のあり方」が問われている
第5章 いま日本で必要なことはなにか―7つの視点
補章 21世紀日本の人口問題
著者等紹介
友寄英隆[トモヨリヒデタカ]
一橋大学経済学部卒業、同大学院修士課程修了、月刊誌『経済』編集長(95~06年)などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
20
安倍首相が掲げる「一億総活躍社会」とは何かについて、その経済政策の欺瞞性を鋭くついた本だと思います。特に、「人口減少社会」をむかえるにあたり、経済学的に人口論を論じた内容となっています。著者は、日本の「少子化対策」が効果をあげなかった原因として、「財界の失敗」「社会の失敗」「政府の失敗」をあげています。そして、その問題を解決するにあたり、現代日本の資本主義のあり方が問われていると述べています。新自由主義的な労働政策をとる限りは、人口問題は解決しないと思いました。勉強になりました。2016/07/03