内容説明
日本各地で開催されているイベントや漫画などの物語を通じて、今アイヌ民族が注目を集めている。彼らは北海道を中心に東北北部や樺太、千島列島などで独自の言語・文化を継承してきた先住民族である。かつては狩猟や漁労、採集などを通じて自然と共生し、生活に関わるあらゆるものをカムイ=神と考える世界観を生み出した。北の大地に燦然と輝いてきた文化の奥深さと歴史を知ることで“日本”の多様性に気づかされる一冊。
目次
第1章 今こそ知りたいアイヌの文化(まず始めに知っておきたい アイヌ文化へと誘うキーワード17;“自然”アイヌの人々にとって暮らしを育んできた自然は畏怖すべき存在である;“動物”独自の生態系のなかで育まれる命 北の大地に生きる動物はアイヌの隣人 ほか)
第2章 北海道の歴史とアイヌ民族(旧石器時代から古代国家へ アイヌへの道をたどる;中世の北海道とアイヌ アイヌ民族と中世国家が入り交じる時代;松前藩の成立は喜べぬこと 不利益な和人支配、そして戦い ほか)
第3章 北の大地に息づく文化を訪ねて―アイヌゆかりの地を巡る(北の大地でアイヌの世界を旅して日本の多様性を体感する;2020年に国立博物館が誕生 “白老町”アイヌ文化の発信拠点へ;沙流川流域に受け継がれる“二風谷”アイヌの伝統工芸を訪ねる ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mahiro
12
ゴールデンカムイの影響かアイヌ関連の出版が多いがこれはアニメで興味を持った人等にも向く入門書。簡単なアイヌの言葉の意味を解説したり住居や衣装風俗などを写真なども多く載せてわかりやすい。縄文、擦文文化からの歴史や松浦武史郎、アイヌ神謡集を著し夭折した知里幸恵女史にも触れ現代に到るまでガイドブック的気軽さで読める。2018/07/03
ぐるぐる
8
ウポポイ見学の事前学習として購入。全体的に分かりやすい。 昔アイヌ民族博物館に訪れた時は、お客さんが少なく明かりも暗かったが、今回新しく国立博物館としてオープンし訪れて見ると予想以上に立派過ぎる施設。とはいえ文化共生空間としてアイヌの歌や踊りが今後も郷土財産はいつまでも、語り継がれて欲しい所。ただ博物館の展示物が綺麗過ぎて、時代を感じられるところがあまり感じられず、文化伝承のために貢献されていた方々を思うと少し残念。しかし改めて海外の人たちの文化芸術に対する考え方や先住民族を敬う姿勢は誇り高いと感じた。2020/08/21
いぬたち
6
アイヌに関する入門書。言葉、衣装、住居などの風俗、アイヌの大地(北海道)の自然と関わってきた歴史、そして日本との関わりなどその他諸々の内容をふんだんに写真を用いての解説は極めて有難い。2018/06/11
ミガーいち
4
アイヌの歴史、文化について勉強になった。星42019/01/11
けいちゃん(渡邉恵士老)
3
白黒ですが、写真などふんだんに使われており、紙面でアイヌを旅できる本です。 「アイヌ分がへ誘うキーワード17」など、初心者にわかりやすくキーワードがまとめられています。 三章の「アイヌゆかりの地を巡る」では、本当にアイヌ文化のゆかりの土地を旅した気分になれます。2021/01/10
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