出版社内容情報
秀吉の「首都」伏見城下の姿、消された巨大湖「巨椋池」の物語、寺田屋に代表される船宿の実態、名産の日本酒のブランドと酒米……。
京都の水運のかなめ、伏見の歴史と文化を掘り下げる、シリーズ第6弾。
内容説明
秀吉の「首都」伏見城下の姿。歴史に消えた巨大な巨椋池の物語。寺田屋をはじめとする船宿の実態。伏見名産・清酒のブランドと酒米…京都の水運のかなめ伏見の歴史文化。京都の文化資源発掘シリーズ第6弾。
目次
1 伏見の位置と交通(街道と舟運の交わるところ;京街道の宿場町にのこる「船宿」―伏見の寺田屋と枚方の鍵屋)
2 深草遺跡の意義、一五世紀の「伏見」(深草遺跡からみた弥生文化の東西交流;『看聞日記』から見る一五世紀前半の伏見)
3 伏見城と城下(秀吉の「首都」伏見)
4 近現代の伏見(「伏見義民」と明治維新―「伏見義民伝」受容と顕彰・考証活動;伏見酒蔵群のブランド構築における米の価値;「巨椋池」についての物語が成立する過程について)
感想・レビュー
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わ!
2
「京都を学ぶ」というシリーズ本の最新刊だが、私に言わせていただくと、伏見という場所はやはり京都ではない。いやまぁ、住所で言えば、京都市伏見区なのであるが、昔は京都市とは別に伏見市として独立していた時期も(わずかではあるが)あったし、何より伏見には「京橋」があるのである。だいたいの都市に於いて、京都へ向かう街道へかかる橋が「京橋」となる。伏見が京都ならもはや京都内部にいるのだから、京橋が造られる必要もないのだろう。この本では「伏見義民」や「巨椋池」に関して「種明かし」がされているのが面白かった。2022/06/06