内容説明
都市の裁きと訣別せよ。感染症の危機と資源の収奪を終わらせ、新たな時代に向かうための、著者初の評論集。
目次
「人新世」時代の環境、社会、人間―脱都市化に向けて
第1部 「人新世」と都市(狐、外来生物、ウィルス―感染症と人新世;都市からの逃走―五輪とグローバルシティ;都市を終わらせる―資本主義、文化、ミトコンドリア)
第2部 ポピュリズムの政治、社会、精神(ポピュリズムの深層分析―「橋下現象」をめぐって;「橋下現象」の心理=政治学―ポピュリズム時代の記号的政治について;「新しい公共経営」と官僚制―これからの地域市民運動のために)
第3部 「脱都市」と大学/文化(スラム化する大学;ネオリベラル・アーツ化する大学教育と「教養」の未来;青年期、大学、都市―ポストモラトリアム時代の大学;グローバルシティのサブカルチャー、思想、政治―〈内なる新自由主義〉に抗するために)
中世の復活?―自然共生型社会のための次世代パラダイムについての試論
著者等紹介
村澤真保呂[ムラサワマホロ]
1968年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、龍谷大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひつまぶし
4
都市論とポピュリズム論と大学論の三部構成はちぐはぐな印象があって、最初読み方が分からなかった。タイトルにあるように、近代社会の特徴が都市化にあり、脱都市化を真剣に考えなければならないという状況認識を大枠として踏まえれば、飲み込めなくはない。政治の荒廃や自然破壊は、欲求を消費社会によって直接に満たせるという新自由主義の錯覚によるものだという軸に沿って読めば良かった。具体的な提案としては共同体の再建であったり、第二の自然を本来の自然としてとらえ直すことなど。ゆっくりと取り戻して行く作業が始まったばかり。2025/05/25
uehara
2
「人新世」時代の都市的なもの(都市的存在様式)からの脱却へ向けての論考集。精神・社会・自然(=3つのエコロジーbyガタリ...タルドの系譜でもある)を貫いて分析する。スケールがデカいがわりと丁寧に議論してると思う。大学論も学ぶことあり。2024/04/30
ベア
0
6時間2021/08/08